中国政府・外交部の報道事務室は26日、イランに対して圧力や制裁を加えることに反対すると表明した。「建設的な方法ではない」と主張した。

 「中国は国際問題について、対話と交渉で解決すべきであり、ひたすら圧力をかけて制裁を加えるのは建設的な方法でないと、一貫して主張している」と説明。欧州連合(EU)が23日に原油の輸入禁止などイランへの制裁措置を決めたことを批判した。

 中国外交部は、「イランを巡る関係各方面が地域の平和と安定に有益な方法を採用してほしい」と表明した。

 中国は以前から、イランからの原油輸入を積極的に進めるなど、同国と密接な関係を構築してきた。ただし、イランがホルムズ海峡の封鎖を示唆したことに対しては、温家宝首相が「いかなる状況にあっても、ホルムズ海峡の安全と、正常な航行は保証されねばならない」と述べるなど、イランを牽制(けんせい)する動きも見せている。

 中東情勢が不安定になり原油価格が高騰すれば、◆輸入インフレ圧力の増大◆世界経済の不振による輸出の鈍化――により、中国経済は大きな打撃を受けることになる。中国外交にはリアル・ポリティックス(力関係や利益最優先する現実主義的な政治)の側面が極めて濃厚だ。(編集担当:如月隼人)