日本のほまれであります!

10日未明に発表されたFIFAバロンドール。テレビの向こうの出来事、日本人・日本選手とは無縁の夢舞台、そう思っていたこの賞。FIFA加盟の世界各国の代表監督・キャプテン、世界のサッカージャーナリストの投票によって選ばれるサッカー界最高の栄誉。この賞をまさか日本人が受賞することになるとは1年前までは想像だにしていませんでした。

しかし、2011年度のFIFAバロンドールは半ば日本祝勝会の様相。女子部門で澤穂希さんが当然の受賞を果たしただけでなく、女子最優秀監督賞をなでしこJAPANの佐々木則夫監督が受賞、さらにFIFAフェアプレー賞を日本が受賞。メッシとバルサが絡んでこない賞は総ナメしていくような勢いで、世界のVIPが居並ぶ授賞式会場をジャパンパワーが席巻。受賞者本人はもちろん、日本中のサッカーファンにとっても夢のような瞬間となりました。

特に澤穂希さんの女子バロンドール受賞は、100年先にも残る偉業。

FIFAバロンドールという賞自体は、フランスのサッカー誌がジャーナリスト投票によって選考していた欧州最優秀選手賞「バロンドール」と、FIFAが選考していた「FIFA最優秀選手賞」とを統合して2010年度から発足したもの。バロンドール歴代の受賞者にはクライフ、ベッケンバウワー、プラティニ、プラティニらが名を連ね、FIFA最優秀選手賞にはバッジョ、ロナウド、ジダンといった綺羅星のごときスターたち。そうした栄光の系譜に、アジア人が初めて、もちろん日本人が初めてその名を刻んだのです。今こうして僕らが、過去の受賞者に偉大な歴史を感じるように、「HOMARE SAWA」が歴史となって未来に語り継がれることになったのです。これはもう、日本の関係者は道で澤さんに会ったら端に避けてひざまずいてもいいレベルの話です。

ただせっかくならば、この受賞を、この歴史の価値をより高めていきたいもの。今回澤さんが当然のごとく受賞をしたわけですが、女子監督賞のノミネートなどを見ても2011女子ワールドカップの結果で大勢を決していることは明らか。ダークホースを優勝させたキャプテン・MVP・得点王として澤さんのバロンドール受賞は当然としても、逆に言えばそうした奇跡的な結果を残すまで澤穂希という選手は検討の俎上にすら上がっていなかったということでもあります。別に2011年になっていきなり、選手・人間として澤さんが急成長したわけではないはずなのに。

2010年度の男子の賞では、所属クラブ・インテルを欧州CL&イタリア国内タイトルの3冠に導き、ワールドカップではオランダ代表で決勝進出&得点王に輝いたスナイデルが、最終候補にすら残らないということがありました。これには世界のアチコチで「メッシに賞を獲らせたかったんだろう」「スナイデルが不憫」「統合以前までの選考方法ならスナイデルが受賞していた」と選考への不満の声が上がったもの。ただ、これがワールドカップ一発で決着する賞なら、「準優勝オランダの得点王の落選」よりも、「優勝したスペイン代表から選ばれなかった」という点がよりクローズアップされたはず。ワールドカップなど大きな大会の結果だけではなく、クラブシーンでの実績が同程度以上に勘案される厚みが男子サッカー界にはあったからこその、スナイデルへの同情だったと思います。

女子サッカーもそうした厚みを持っていけるよう、発展を支援していきたいもの。澤さんはワールドカップの活躍でようやく日の目を見ましたが、ワールドカップや五輪がない年は「INAC神戸で国内2冠!」とか言っても選考の対象にはならないことでしょう。2012年についてはロンドン五輪で金を獲らないかぎり再受賞はないでしょう。それは何となく釈然としないというか、ならばワールドカップの表彰式で同時にバロンドールも決めてしまえばいい、という話です。

図らずも女子サッカーの人気が爆発的に高まった日本としては、国内リーグ、ひいては女子サッカー全体の発展を後押ししていきたいところ。まずは「バロンドール受賞者の試合を見に行く」ことで歴史的快挙へのお祝いを。そして、「女子サッカー界の発展」を通じて、賞の価値をより高めるような草の根からの支援を。なでしこリーグがもっとメジャーになって、そこでの実績が世界的にも評価されるようになり、アジア各国から女子サッカーの才能が集まるようになれば、女子バロンドールの価値もより高まるというもの。

次に日本人が受賞するのはいつの日かちょっと想像できませんが、2011年にHOMARE SAWAが受賞したという歴史が、「言うても女子でしょ」ではなく「日本すげーな!」として未来の人に振り返られるよう、女子サッカーもしっかり支えていきたいものですね。

ということで、あまりのカチコチで見ているコッチもカチコチしてきた、澤穂希さんのFIFAバロンドール受賞のもようをチェックしていきましょう。



◆めっちゃ緊張してはるwww成人式でももっとリラックスしてるぞwww

世界のVIPが集った会場。司会をつとめるのはルート・フリット。アシスタントは元フランス代表カランブーの奥さま。ブラッターFIFA会長はもちろん、プラティニ、ペレ、ローター・マテウスらレジェンドがゾロゾロ。ベストイレブン賞・ベストゴール賞の発表などもあるため、現役選手からもメッシ、シャビ、イニエスタ、ネイマール、ルーニーなどが列席。地味にストイコビッチ氏の姿も見受けられます。

ここに隕石でも落ちれば世界のサッカーが頓挫するレベルの大集合。この舞台の中央に、まさか日本人が立つことになろうとは。ここに呼ばれることすら困難だというのに、まさかトロフィーを持って帰るとは。それも3度も。新年早々元気の出る、何とも明るい報せです。

↓女子最優秀監督賞を受賞した佐々木則夫氏は堂々のスピーチ!


このオジサン、めっちゃカッコイイwww

スピーチめっちゃ落ち着いてるwwwwww






発表の瞬間の「うむ」というリアクション。佐々木氏の低く穏やかな声で語られる、東日本大震災への想いと、すべての人に対する感謝。そして何より家族への感謝。晴れ着姿で付き添う奥さまと娘さんの姿が映像に抜かれたとき、佐々木氏の見事な「国際人」ぶりに、僕も便乗して鼻を高くしたもの。なでしこ優勝後のメディアフィーバーでも感じたことですが、佐々木氏のメディア対応・対外対応は本当に立派。プレゼンターのマテウスにも一歩もヒケをとらない、カッコイイ「日本のオヤジ」です。

↓フェアプレー賞を受賞したJFA小倉会長は堂々のスピーチ!


さすが外交の小倉氏!

自らの言葉で受賞の喜びを伝えてくれた!






檀上に招かれた際の小倉会長の静かな動き。その中で、柔らかく澤さんをエスコートする紳士ぶり。トロフィーを受け取り演台に立てば、同時通訳を介さずに自らの言葉で世界のVIPにスピーチ。FIFA理事もつとめた小倉氏だけあって、この晴れがましい舞台でも固くなることはありません。堂々たる日本サッカー界のリーダーであります。

さぁ、そしてこの日の日本的なハイライト、女子バロンドールの発表です。ほぼほぼ澤さんの受賞は間違いないと思いつつ、あの活躍が正当に評価されるか、テレビで見守るファンも緊張感を高めます。しかし、それ以上に緊張し、カチコチになっていた人がいたのです。秋の園遊会でも身にまとった振袖で完全武装し、髪もカチカチにひっつめてきたその女性。そうです、ほかならぬ澤穂希さんその人です。天皇陛下との対面以上にカチコチでやってきた澤さんは、檀上に1人で上がらされると、全世界にカチコチのスピーチを繰り出したのです…。

↓女子バロンドールを受賞し、カチコチになった澤さん!


固すぎて顔に喜びが出てこないwwwwwww

何かちょっとした蝋人形みたいだなwww






受賞が決まったときの「おっ」という反応。ロボット風の動きで立ち上がるも表情は硬く、ワンバックに背中をタッチされてようやく笑顔をこぼしたほど。トロフィーを受け取り、ブラッター会長に引きずられるように演台に向かうも、トロフィーを台に置いたときの「おっ」という余計なリアクションが澤さんの緊張ぶりを物語ります。考えてきた原稿を1.5倍速ほどの早口で読み上げる澤さんは、ちょっとムッとしているレベルの無表情。ピッチの上では鬼神のごとき澤さんが、借りてきた猫以下の姿を全世界にお届けしてしまったのです。

↓本人的には「名前を呼ばれたときもよくわからなかった」とのこと!
「ホマレ・サワ」。プレゼンターを務めたコロンビアの女性歌手シャキーラさんが女子最優秀選手の名を読み上げても、澤選手の表情は硬いままだった。「佐々木(則夫)監督が(女子の最優秀監督として)呼ばれた時、こっちがどきどきしちゃって。自分の名前を呼ばれた時も、よく分からなかった」。大きな花柄をあしらった薄い水色の振り袖姿は一段と目を引いたが、表彰式のあいさつでも笑顔は見えなかった。

http://mainichi.jp/enta/sports/soccer/news/20120110k0000e050131000c.html

呼ばれる前から大体わかってはずなのに!

表彰式にのぞむ準備が足りなかったようですね!



次回のバロンドールは狙って獲り、落ち着いたスピーチをお願いします!