中国鉄道部の陸東福副部長はこのほど、中央電視台(CCTV)のインタビューに応じ、甬温線(浙江省寧波市−温州市)で23日に発生した高速鉄道追突事故で関心が集まる問題について説明した。1日付で中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は陸東福副部長と記者のやりとりより。(イメージ写真:2011年7月23日に発生した中国高速鉄道の追突・脱線事故の上空から撮影された現場の様子)

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 中国鉄道部の陸東福副部長はこのほど、中央電視台(CCTV)のインタビューに応じ、甬温線(浙江省寧波市−温州市)で23日に発生した高速鉄道追突事故で関心が集まる問題について説明した。1日付で中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は陸東福副部長と記者のやりとりより。

■「中国高速鉄道、温州で衝突事故(2011年)」写真特集

 記者:救援過程で、一刻も早く運転を再開するために人命救助を最優先しなかったという状況はあったか。生存の見込みがないなかで2歳の女児が救助されたことについてどう説明するか。

 陸東福副部長:このような質問は、事故救助の最前線で活動する2000人以上の鉄道職員、3000人以上の地方の公安、駐兵、武装警察、消防、衛生などの部門、一般の人たちの感情を傷つけるものだと思う。彼らは事故の救援と人命救助に懸命に取り組んだ。

 事故現場で、鉄道部と地方トップは共同で指揮をとり、列車の職員および鉄道の責任者や従業員、当地の公安、駐兵、武装警察、消防、衛生などの部門、一般の人たちを救援に当たらせた。彼らは1分1秒を争って協力し、事故現場、特に車内を捜索し、負傷者を一刻も早く病院に運ぼうと取り組んだ。救援過程で、橋の上で押しつぶされた3両の真ん中の車両はひどく変形し、その車内での本格的な捜索はできない状態だった。指導部が決定した人命救助を最優先するというプランに基づき、橋の下から大型クレーンを使って正確かつゆっくりと両端の車両を動かし、公安、武装警察、救援スタッフは本格的な捜索を始め、数体の遺体を運び出したあとに女児を救助した。

 24日23時30分頃、生存者がいないことを確認し、遺物や車両の片づけを行い、救援作業を終えた。それまで、鉄道部門の指導者が捜索・救助をやめるよう指示したことは一度もない。

 記者:壊れた車両と先頭車両は事故原因究明の手がかりとなる主な部分だが、穴を掘って先頭車両を急いで土に埋めたのはなぜか。

 陸東福副部長:これは事実ではない。橋の上では3両が押しつぶされた状態で、救援過程で真ん中のひどく変形した車両の本格的な捜索を行うために両端の車両を動かす必要があった。クレーンを現場に導入するため、橋の下の車両をそのまま動かし、散らばった先頭車両などの部品を移し、地面のくぼみにまとめて置く必要があった。部品と車両を埋めたということも、証拠を隠滅したということも決してない。現場での捜索が終わってから、車両とまとめて置かれた部品は温州西駅に移され、調査が行われている。(つづく 編集担当:米原裕子)