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今年、一押しのインスタレーションと言っても過言ではない、Anish Kapoorの作品が、グランパレのガラス構造に設置されている。毎年、一名のアーティストに自由な作品を創造させるMONUMENTAは、世界的なレベルで実力を認められているアーティストに白羽の矢を立てる。昨年は、フランス人のC・ボルタンスキーであった。

KapoorのLeviathanと題された作品は、聖書に登場する怪物が暗闇から威力を発揮するというイメージに基づき、人類において、絶えず恐怖を抱きながら社会に生きている様を比喩したものである。
作品の中に入ると、ガラス天井を透過して差し込む光をさらにフィルターにかけた被膜が、天井の鉄構造の骨組みを反射する。太陽の位置によって、赤ともオレンジともいえないが、作品の被膜が、まるで入り込んだこともない血管の中に存在するかのような錯覚に陥らせる。作品の構造は、空気で膨らませたテニスコートに用いる建築用途のテキスタイルだ。作品は、4つの3D構造を溶接させた立体であり、実際に入場するのはそのうちの1空間のみであるが、連鎖する3空間を想像することは可能だ。
グランパレの既存空間が、大きな意味を象徴するだけに、それに劣らずとも呼応する作品には脱帽してしまう。



(取材・写真 Kaoru URATA)

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