グランパレを異空間に変容させるAnish Kapoor
今年、一押しのインスタレーションと言っても過言ではない、Anish Kapoorの作品が、グランパレのガラス構造に設置されている。毎年、一名のアーティストに自由な作品を創造させるMONUMENTAは、世界的なレベルで実力を認められているアーティストに白羽の矢を立てる。昨年は、フランス人のC・ボルタンスキーであった。
KapoorのLeviathanと題された作品は、聖書に登場する怪物が暗闇から威力を発揮するというイメージに基づき、人類において、絶えず恐怖を抱きながら社会に生きている様を比喩したものである。
作品の中に入ると、ガラス天井を透過して差し込む光をさらにフィルターにかけた被膜が、天井の鉄構造の骨組みを反射する。太陽の位置によって、赤ともオレンジともいえないが、作品の被膜が、まるで入り込んだこともない血管の中に存在するかのような錯覚に陥らせる。作品の構造は、空気で膨らませたテニスコートに用いる建築用途のテキスタイルだ。作品は、4つの3D構造を溶接させた立体であり、実際に入場するのはそのうちの1空間のみであるが、連鎖する3空間を想像することは可能だ。
グランパレの既存空間が、大きな意味を象徴するだけに、それに劣らずとも呼応する作品には脱帽してしまう。
(取材・写真 Kaoru URATA)
■関連記事
・「今」を感じる参加型イベント、原宿VACANTにて開催!
・7月26日より特別企画「東北の底力、心と光。 『衣』、三宅一生。」開催
・「森山大道×蜷川実花」展 時代を挑発する二人の写真家の二人展、京都で開催
・郷愁を優しく刺激し、心に小さな幸せの灯をともす― フランス人画家アンリ・ル・シダネル回顧展
・最新科学の観点から印象派画家たちの絵画テクニックを紐解く、新鮮な驚き溢れる展覧会
KapoorのLeviathanと題された作品は、聖書に登場する怪物が暗闇から威力を発揮するというイメージに基づき、人類において、絶えず恐怖を抱きながら社会に生きている様を比喩したものである。
作品の中に入ると、ガラス天井を透過して差し込む光をさらにフィルターにかけた被膜が、天井の鉄構造の骨組みを反射する。太陽の位置によって、赤ともオレンジともいえないが、作品の被膜が、まるで入り込んだこともない血管の中に存在するかのような錯覚に陥らせる。作品の構造は、空気で膨らませたテニスコートに用いる建築用途のテキスタイルだ。作品は、4つの3D構造を溶接させた立体であり、実際に入場するのはそのうちの1空間のみであるが、連鎖する3空間を想像することは可能だ。
グランパレの既存空間が、大きな意味を象徴するだけに、それに劣らずとも呼応する作品には脱帽してしまう。
(取材・写真 Kaoru URATA)
■関連記事
・「今」を感じる参加型イベント、原宿VACANTにて開催!
・7月26日より特別企画「東北の底力、心と光。 『衣』、三宅一生。」開催
・「森山大道×蜷川実花」展 時代を挑発する二人の写真家の二人展、京都で開催
・郷愁を優しく刺激し、心に小さな幸せの灯をともす― フランス人画家アンリ・ル・シダネル回顧展
・最新科学の観点から印象派画家たちの絵画テクニックを紐解く、新鮮な驚き溢れる展覧会