ショッピングサイト「オークション」、黄砂キャンペーンで豚肉を特売

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「黄砂を洗浄するなら豚肉が一番だよ〜!」

韓国でも深刻な問題となっている黄砂を、体内から洗浄してくれるという食べ物に注目が集まっている。それは、韓国人が3日に一度は食べているであろう「焼き肉」。日本では焼き肉といえば牛肉を思い浮かべるが、韓国で焼き肉言えば豚の焼き肉『サムギョプサル』のことである。今回、黄砂の体内洗浄作用があると注目が集まっているのも、このサムギョプサルである。

サムギョプサルは、豚のバラ肉を厚めにスライスし、鉄板で焼く肉料理。特に韓国人は表面がカリカリになるまでじっくりと焼いて食べるのが好き。これをサンチュやエゴマの葉の上に置き、ニンニクや薬味を入れて、クルクルと巻いて食べる。価格は一人前5000ウォン~1万ウォン(400~800円)くらいでリーズナブルなので、庶民の定番メニューである。

そんなサムギョプサルが、どう体にいいのだろうか。韓国食品研究院の研究によると、豚肉に含まれている不飽和脂肪酸が、体中の重金属物質を排出する作用があるのだという。この話しを信じてか、韓国では黄砂の季節になると、サムギョプサル屋が大繁盛する。売り上げは通常の2.5倍にもなるそうで、「黄砂イベント」を行なう店もある。

インターネットにも
「黄砂対策に良い食品といえば、やっぱりサムギョプサル。家で食べることにしました」
「最近のような黄砂がひどい時には、サムギョプサルを食べなければ〜〜」
「昨日、黄砂がひどかったから、夕飯はサムギョプサルにしました」
「黄砂にはサムギョプサルが最高」

といった書き込みが多く見られ、みんな「黄砂で体調悪化→サムギョプサルで浄化」と考えているようだ。
しかし、過信してはいけない。韓国の中央日報は、「豚肉が粉じんを体外に排出する作用があるとの科学的証拠はない」、スポーツソウル「重金属の一部は排出されるかもしれないが、肺に入った微小のホコリはサムギョプサルでも流せない」、アジア経済「医学的な根拠は全く無い」と指摘しているように、サムギョプサルが黄砂を洗い流してくれるという証拠はどこにもないのだ。

今年の黄砂は例年以上にひどいと言われている。今月20日、韓国では観測史上最高の黄砂が全国を覆い、空は黄色く染まった。黄砂を吸い込むと肺や心臓疾患などを及ぼすため、外出時にはマスクは必要不可欠で、布団や洗濯物も外では干せなくなる。韓国では黄砂がひどいと鬱病を悪化させ、自殺率も上昇させるといわれている。科学的な証拠はなくとも、サムギョプサルを食べて、活力を補充しようといったところだろうか。

参照:[ニュース追跡]黄砂にサムギョプサル?太るだけ - アジア経済

(文:林由美)

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