リーグ・アンのレンヌが19日に公式サイトで稲本潤一の獲得を発表したことを受け、レキップ紙などフランスのメディアがこの契約を一斉に報じた。

 稲本のレンヌ入りには、来季から指揮をとるアントネッティ監督(前ニース監督、1998-99年にガンバ大阪の監督)の存在が大きく作用したと見られる。稲本はサイトで「日本でとても人気のあるフレデリック・アントネッティと2年近く仕事をしたことがある。監督として高く評価しており、彼といっしょにもういちど働きたいと思った」とコメントしている。

 一方レンヌのドレオッシGMは、稲本を「所属してきたクラブや日本代表で非常に高いレベルを知っているMF。スピードとテクニックがあり、身体能力も高い」と評価する。

 GMは「我々が長年追ってきた選手」と語り、“自由契約で獲得しやすかった”ことや、“日本企業のスポンサー狙い”、“日本のファンにユニフォームを売ること“といったビジネス面でのメリットでなく「純粋に競技面での選択」で獲得したことを先回りして強調している。

 GMはさらに、「W杯まであと1年という時期に、彼がレンヌでキャリアをつづけることを選んだのはうれしい」と新しい挑戦に賭ける稲本の勇気をたたえた。

 このニュースを報じたレキップ紙のウェブ版には、前述のようなビジネス面でのメリットを指摘するユーザーからの書き込みも見られるが、冷めた視点というよりは、むしろそれを好意的にとらえた反応が多い。欧州における中村、松井、森本らの活躍を通じて日本のサッカーのレベルの高さを知るフランスのファンからは、新たな日本人選手を発見する好奇心と期待が感じられる。