学校で完璧王子(パーフェクトプリンス)と呼ばれている宮野君。これだけ女装が似合っていれば誰も文句はありません。

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アニメキャラなどになりきるコスプレ文化も一般社会で大分知られるようになりました。レイヤーさん(※1)は性別でいうと女性が圧倒的に多いのですが、これはメディアが可愛い女の子のコスプレを多く取り上げることも影響しているように思います。地味に頑張ってる男性陣はウケ狙いで着ぐるみにでも入らないとなかなかメディアには取り上げてもらえないのが実情。
(※1)レイヤー:コスプレを実践する「コスプレイヤー」の略称。

そんな少数派な男性レイヤーの中のさらに極一部にいるのが「女装レイヤー」です。この女装レイヤーという存在は、コスプレイベントを開催する側にとっては悩みのタネになる場合が多く、いまは基本的に女装禁止というケースが大半となっているようです(レイヤーさん同士の中でも異端扱い)。

私は基本的にどんなコスプレをしようがレイヤーさんの自由だと思ってますので、女装レイヤーというのも全然アリだと考えてます。ちなみに以前仕事で全身ピンクのロリータ系ファッションな女装レイヤーさん(多分30代後半)と会いましたが、全然平気でした(コスプレの元ネタは多分「東方Project」のレミリア・スカーレット)。ご本人も非常に奥ゆかしくていい人でしたし。

少々のことでは動じない自信のある私ですが、大分前に某同人誌即売会で露出多めのセーラームーンを体重100kgオーバーの力士体系の人がやってるのを見た時は、さすがに悶絶してしまいました。その人の周りには強烈な磁場が発生していて、その磁場に誰も踏み込めなかったのを今でもよく覚えています……(絶句)。

女装レイヤーが敬遠されてしまう理由は、大半が客観的に「キモい」と見えてしまうということに尽きます。オタクな人達は基本的に寛容なので少々のことなら気にしないものですが、残念ながらその広い心の許容量を超えてしまうケースが多いのです。

コスプレイベントなどでは女性が男性キャラのコスプレをする「男装レイヤー」は非常に多く、ひとつのジャンルとして確立していますが、これが逆の女装レイヤーとなると話はまったく変わってしまうのです。

そんな世間の風当たりの厳しい女装レイヤーですが、中にはパッと見女性にしか見えず、全然アリというケースもないわけではありません。その域に到達するにはメイクや衣装選びに気を遣うだけでなく、「素敵な女性として見られたい」という高い意識が必要となります。単に女装したいだけという自己満足なコスプレだけでは周りの理解を得るのは難しいのです。

コスプレ人口の増加によって客観的にアリな女装レイヤーさんも増えつつあるようですが、そういうレイヤーさんは男性だと気がつかれないことも多いので実情を把握するのは困難だったりします。個人的に「絵になる女装レイヤーさん」というのは、なかなかロマンティックな響きを感じるので、そうしたレイヤーさんが増えるのは歓迎したいと思っています。

まだまだ肩身の狭い思いをしている女装レイヤーさんですが、努力次第で世間の目も変わってくると思います。人に見られるということを意識しながら頑張っていっていただきたいと思う次第です。

最近はコスプレ関連の書籍や漫画なども様々な種類が出ています。以下に女装レイヤーさんに役立ちそうなものをご紹介してみますので、まだ読んだことのない方は、参考にしてみてくださいね。

■『フダンシズム』
著者:もりしげ
発行:スクウェア・エニックス

●オススメ度:★★★☆☆

学校で完璧王子(パーフェクトプリンス)と呼ばれている宮野君。これだけ女装が似合っていれば誰も文句はありません。

校内で王子様と呼ばれる文武両道の中学2年生・宮野君が女装することになる漫画です。女装のきっかけは腐女子な姉の同人サークルの売り子を手伝う際に必要だったから。何しろ同人誌の内容がBL(※2)なので、お客さんは全員腐女子。男が売り子だと買いにくいというわけです。
(※2)BL:ボーイズラブの略語。男同士の恋愛を描いたジャンルのこと。

宮野君は同人誌の世界を全く知らなかったのですが女装した姿は完璧に可愛い女の子。(コミックスの表紙参照)。即売会でも誰もその女装に気がつく人はいません。しかもプライベートで好きになった女の子(小西さん)もたまたま腐女子という展開。本人の意志とは無関係に宮野君は腐女子の世界にズブズブになっていくのであります。

宮野君は同人誌即売会で小西さんと女の子として出会ったために男性として接することができないジレンマを抱えてしまいます。小西さんと仲良くなりたい一心で女装する宮野君はちょっぴり可哀想なんですが、女装が似合いすぎるので問題なし。こういう女装ならアリだなと思える内容となってますので、イメージトレーニングにオススメです。

■『オンナノコになりたい!』
著者:三葉
発行:一迅社

●オススメ度:★★★★★

表紙のイメージからは想像できませんが、かなり実践的で役立つ内容となってます。女装のバイブルと言っていいレベル。

パッと見は女装コスプレ支援本みたいな感じですが、内容は「男性が女性らしくなるためのノウハウ」を解説したものになっています。内容は非常にガチで最初に「女装に必要な体」というテーマを持ってきて、男性と女性の体の違いなどが説明されていきます。そして男性の肉体を持ちながら女性として見られるようになるための様々なコツが書かれていくのです。

ムダ毛の処理についても男性がやる場合の注意点をアドバイス。市販の脱毛器は女性用に作られているので男性が使う場合はよりゆっくり動かして使ったほうがいいとか、男性が女性化しようとする際に直面する問題にひとつひとつ答えてくれます。

女性の服を実際にショップで買うにはどうしたらよいか、ブラジャーやショーツなどの下着の選び方もしっかりフォロー。メイクは化粧道具を何から揃えたらよいか、下地の作り方、アイメイクの仕方、口紅の塗り方、眉毛の整え方など、読むことで女装に不可欠な知識が得られます。

女性らしくなるための基本的な考え方が書かれてあり、しかも内容が実践的でわかりやすいので女性が読んでもためになるような気がします。美容関係を目指している人にもオススメできるかと。イヤホント、美容学校の先生が本書を勧めても全然正直アリだと思いました。

女装をする際に、この本を読んでから始めるのと読まずに始めるのとでは天と地ほどの差ができると思われます。これは是非とも読んでいただきたいです。女装をする予定のない私が読んでも非常に面白かったので、単純に面白い本を読む目的で買うのもいいと思います。価格は1,500円(税込)と少々お高い気もしますが、実際に読んでみるとむしろ安いくらいに感じました。

■『オンナノコになりたい! コスプレ編』
著者:三葉
発行:一迅社

●オススメ度:★★☆☆☆

残念ながら前作には及ばなかった続編のコスプレ編。一迅社は読者が何を求めているかもう一度真剣に考えるべきかと。

これは上記の『オンナノコになりたい!』の続編にあたるのですが、前作に書かれてあるネタの再録的な部分が多く、女装というよりも広い意味でのコスプレ解説本みたいになっています。女装に特化した部分もあるのですが、前作に比べると質・量共にダウンしてます。

ただ、役立ちそうなこともちゃんと書かれてありますので女装コスプレの情報が欲しいという方は読んでみてもいいかと。ですが、コスプレについて詳しいことが知りたい場合は、写真などが豊富に使われた別のコスプレ本を読んだ方がいいと思います。

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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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