海外に出掛ける日本人の数が低迷している。2007年は約1729万人と4年ぶりに減少した。

出国者数を人口で割った「出国率」を2000年と2006年で年齢別に比べると、50代後半から60代で増加しているのに対し、20代前半で19.8%から17.1%に、同後半は25.7%から21.1%へと落ち込んだとのこと。

車の需要低迷と同様、海外旅行でも若者の需要低迷が顕著だ。

若者が海外旅行に行かなくなったのは、パソコンを使って脳内旅行をして行った気分になっているのではないかとの憶測もあるが、もっと単純に近年の若者の節約志向によるところも大きいだろう。

確かに、インターネットを見れば、海外旅行記のブログは溢れているし、最近ではマイクロソフトが世界主要都市/観光地の3D映像を配信するサービスも始めた。
大都市では世界中の料理が食べられるし、実際に海外に行かなくても疑似旅行体験はできるようになった。

筆者の周辺を見ても、海外旅行に夢中になっているのは、30代半ばの女性の「お一人さま」や、その少し上のバブル世代ばかりのように見える。

危機感を抱く旅行業界は、4月から「2010年に海外旅行者2000万人」を目標に新キャンペーンに乗り出した。
しかし、「自然体では絶対に届かない」という声もあり、企画力と実行力が問われるのはこれからである。

(編集部 真田裕一)