イタリアで一番有名な双子サッカー選手は、『キャプテン翼(伊題:ホーリー&ベンジ)』の立花兄弟である、というのは、もちろん冗談だが(しかし、あながち間違いともいえない…)、セリエAレベルで実際に双子がプレーするにあたって同じチームにいた方がいいのか、それとも別々のチームでプレーした方がいいのか。
 この疑問に答えるにあたって、アントニオ&エマヌエレのフィリッピーニ兄弟以上の適任者はいないだろう。2人のMFは生年月日だけでなく、セリエAデビューまで同じ(97年8月31日/インテル対ブレシャ)だ。

「もちろん、それぞれがちがう特徴を持っているとしても、双子選手が同じユニフォームを着るのは確実にポジティブなことだといえるね。血のつながりの本能か、ピッチ内にもう一人の自分がいる感覚でプレーできる。視線をかわすだけで、向こうが何を考えているかわかる。僕らぐらいになると、まるで一人の人間のように喜怒哀楽の感情すら共有しているといえるね。
 まあ、もし別々のチームでプレーしていたとしたら試合中、(ホームの)観客がどちらに向かってブーイングしているかすぐにわかるだろうね……(苦笑)」(エマヌエレ)

 プロとしての彼らのキャリアは、1990年、地元のブレシャ(当時セリエB)で始まっている。そこから二人三脚を始めて、今季そろって所属しているリボルノまで含めた18シーズンの間、2人が別々のチームでプレーしたのは、たった2年半にすぎない。ここまで徹底しているともはや天晴れと言うほかない。