涙ながらに声援に応える福部真子(カメラ・宮崎 亮太)

写真拡大

◆愛知・名古屋アジア大会 第9日 陸上(27日、名古屋・瑞穂公園陸上競技場)

 女子100メートル障害決勝が行われ、元日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)が12秒74で日本勢として82年ニューデリー大会の秋元恵美以来44年ぶりの金メダルを獲得した。

 レース後の取材では「今回のアジア大会で引退を考えていた」と打ち明け、「自分の中の集大成としてしっかり走れたら、結果もついてくるという風にレース前から信じていた。自分が今まで中学からやってきた、勝負強さというところを最大限引き出して終わろと、レースしたことが今回の結果につながった」と語った。

 引退の決断については「まだまだちょっと決断はしてないが、半分以上は引退というか…」と語り、続けて周囲からは「来年1年間を休養して、オリンピックに絞ってというやり方もある」という助言も受けていることを明かした。

 ◆福部のレース後コメント

 -金メダルの感想

 「本当に取れると思っていなかったメダルだったので、今でもあまり実感が湧かないのが、正直なところです。本当にスタートラインにまず立てるかどうかというところから始まってたので、1人では絶対に取れなかったメダルの色だったので、本当に今まで自分が取ってきたメダルの中で、1番価値のある金メダルでした」

 -朝起きてからの気持ち

 「もう朝起きて、どんな気持ちで、まずスタートラインに向かっていこうというところから考えて、初めてそういう風な感じで、自分を奮い立たせるではないですけれど、そういう風に自分で自分を鼓舞しながら、スタートラインに自分を持っていったことが初めてだったので、そこが今までの自分の競技人生の中で、少し成長できた部分なのかなと思います」

 -(24年秋に発症した)菊池病と向き合いながらの日々

 「微熱とはいえ、やっぱり自分もだましながら毎日やっていくというしんどさだったり、37度とはいえ、やっぱり36度台の時の自分の体とはやっぱり違う。でもそれを大丈夫、大丈夫と、自分をごまかしながら練習したり、試合に出たりすることに疲れてしまっている部分がある。特効薬がないので、熱が出れば寝たり、薬を飲んだりという風にするしかないというところで、自分の中で暗いトンネルにいながらも高い目標に向かっていっている。その現実と理想のギャップというところで、どうしてもその菊池病のせいにしてしまう自分というのも苦しくて、どうしようかなと」

-引退を考えていたというが、もう決断した?

 「まだ決断はしてないですけれど、自分が目指しているアジア記録に対して、この2年間自分がそこに向かって進めていないという事実を、毎日のように突きつけられてきた。去年は無我夢中で駆け抜けた1年だったですけれど、試合で戦っていきたいのに、試合に出ることで精一杯という事実があって、目標を下げれば、続けられますけれど、目標を下げて人生をかけられるかと言われると、やっぱりかけられない部分もある。寺田さんや、青木さんにも相談させてもらって、また深く聞いてもらう予定でいて、その中で『来年1年間は休養して、オリンピックに絞ってというやり方もあるんじゃないの』という風に言ってもらったり、もちろんコーチだったりトレーナーだったりにもそういう風なやり方もあると言ってもらっている。また自分の中で考えて、まだ決断はしてないんですけれど、半分以上は引退というか…」