プロが教えるシニア世代の節約テクニック。NGな節約は「安い時にまとめ買い」「エアコンの風量は常に弱」
家計を守るために、実はしなくてもいい節約を頑張っている可能性も。見直すポイントが異なる固定費と変動費に分けて、効果を得やすい工夫を専門家が教えます。つづいて、変動費の見直しについて(構成:山田真理)
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固定費の見直しはこちら
ガマンではなく、無駄を削るテクニックとして
一度見直すだけで大きな効果を得られる固定費と違って、変動費は日常生活のなかで節約習慣を身につけることが必要な項目です。1回分の金額は小さくても、積み重ねるほど大きな差につながるので、まずはできる範囲で見直してみましょう。
テレビ番組の節約企画ロケで、いろいろな方のお宅にお邪魔する機会がありますが、シニア世代の方は冷蔵庫から納戸まで、物をたくさん保管している印象があります。安いからと思わず買ってしまったり、ストックを切らすのが心配で同じものを何個も購入してしまったり。
たとえば、洗剤のまとめ売りがお得だからと5個買った場合。いつも置いてある場所に入りきらなければ、ほかの空いているスペースに置くことになります。すると、そのストックの存在を忘れて、いつもの場所にある分がなくなったら、新しいものを買ってしまうのです。
使用期限がないとはいえ、長年放置したら品質は低下してしまうもの。安いからとたくさん買っても、得はないのです。
「節約=ガマン」とネガティブに考えず、無駄な部分を上手に削り、生活を快適にするためと、前向きに捉えてみてください。
変動費のうち「食費」「光熱費」「その他」について、シニア世代におすすめの節約テクニックをご紹介します。何か1つでも生活に取り入れ、行う前との差を実感できれば、「次もやってみよう」とやる気が出てくるはず。ストレスにならない程度に挑戦してみてください。

(イラスト:市村譲)
【食費】
ルールを決めるだけでOK。買いすぎ防止でスッキリ
【1】予算は「3:1の法則」で
まず、1ヵ月の食費の予算を3:1に分けます。「1」は米や調味料・乾物などストック食品に使い、「月に1度」まとめて買いましょう。
残りの「3」を生鮮食品など「日々の買い物」に使います。日常的に出ていくお金なので、管理が難しいのが食費。しかし、ルール内でやりくりすることで、予算オーバー防止に。
【2】食材の余りは専用の場所に
食材が少しだけ余りそうになった時、無理に料理に使うと、量が増えて食べきれず食品ロスのもとに。
野菜や肉などは素材のまま、冷蔵庫の手前など見えやすいところに専用のコーナーを作って保管。翌日、細かく刻んでオムレツや味噌汁の具として使い切れば、1品にボリュームを出せ、最終的に無駄なく食べ切ることができます。
《Check! しなくていい節約》
安い時にまとめ買い
特売だからと必要以上に買い込むと、無駄が生じがち。
たとえば、閉店間際に見切り品になるお惣菜は、その日中に食べることになり、1日の食費で考えると結果として割高に。食べきれなかったら食品ロスになります。
長期保存できない生鮮食品などは、「3日以内に使い切れる量」を基準に買うようにしましょう。
食品以外にも、ストックできる物は置き場と上限個数を決め、開封してから次を購入することで、買いすぎを防げます。

【光熱費】
使い方次第で料金が大きく変わる
【1】まずはエアコンの省力化を
もっとも消費電力が大きい家電がエアコンです。冷暖房による光熱費を抑えるには、部屋の環境を整えて効率よく利かせること。そのカギとなるのが「窓」です。冷気や暖気は床や天井からも流出しますが、窓からは全体の60~70%を占めるほど。
夏はすだれや日除けのシェードで窓の「外」から断熱を。冬は逆に室内から外へ出ていく熱を防ぐため、厚さがあり、床まで届く長さのカーテンで遮熱をしましょう。
持ち家の場合、窓を二重サッシや複層ガラスにリフォームすれば、さらに断熱効果がアップ。国や自治体から補助金が出る場合もあるので、検討してみてはいかがでしょうか。
【2】家電買い替え時の損を防ぐ
基本的に家電は壊れてからの購入検討で問題ありませんが、エアコンと冷蔵庫は別です。この2つは壊れたら待ったなしで買う必要がある一方、焦って購入するのはNG。予算やスペックを比較検討する時間がないと、結果的に高い買い物になってしまう可能性があります。
内閣府の調査によると、エアコンの平均使用年数は約13~14年で冷蔵庫は12~13年ほど。また、製造終了から10年くらい経つと、部品の保有期間が終わることが多いため、修理できない場合があります。損をしないために、余裕をもって買い替えの検討をしましょう。
完全に壊れた家電はリサイクル料金を払って処分する必要がありますが、壊れる前なら買い替え時に下取りしてもらったり、リサイクルショップに売ることも可能です。
また、エアコン、冷蔵庫、給湯器、照明器具は、省エネ性能の高いものへの買い替えに対して補助金を出している自治体もあるので、事前に調べてみてください。
そして来年の4月、エアコンに関する国の省エネ基準が引き上げられることで、基準に満たない安価な機種の流通が少なくなることが予想されます。もし小型のエントリーモデルで近年中の買い替えを検討している人は、今のうちに決断したほうがよさそうです。

【3】蛇口のレバーの位置に注意
日常生活で、必要がないのにうっかりお湯を使っていることはないでしょうか。ガス給湯器のお湯(45℃)を1分間出した時と、水(15℃)を出した時を比較すると、約3倍のコストの差が出ます(資源エネルギー庁試算)。
レバーの位置で水とお湯を切り替えるタイプの蛇口が増えているので、必要ない時はレバーを完全に水側へ回しておくように。微妙に真ん中の位置でぬるいお湯が出ても、やはりコストは水の3倍です。
お湯を使い終わったら、必ずレバーを水側にしておく習慣をつけましょう。
給湯パネルのスイッチが設置されている場合は、うっかりを防ぐため、未使用時は電源をオフにしておきましょう。
また、浴室のシャワーヘッドを、手元に止水ボタンが付いている節水タイプに替えると、出しっぱなしを防げるのでおすすめです。安いものだと2000円ほどで購入でき、水道代、ガス代を下げることができます。
《Check! しなくていい節約》
エアコンの風量は常に弱でキープ
消費電力を抑えるため、エアコンの風量は常に弱にしていたほうがお得と思い込んでる人がいるようです。
しかし、エアコンは、電源を入れてから室温が設定温度になるまでに大きな電力が必要となります。たとえば真夏の日中に、よかれと思って「微風」など弱い風でゆっくり室温を下げようとすると電気代が余計かかることに。
最初は「強風」で一気に部屋を冷やすのが正解。その後は、設定温度に達すると自動的に風量が弱まる「自動」運転がもっとも電気代の節約になるのです。
【その他】
明細チェックと交際費の見直しを
節約には家計簿を付けてお金の流れを確認するのが一番ですが、今まで習慣のなかった人にはハードルが高いかもしれません。そこで役立つのが明細書。キャッシュレス決済ならば、買い物のたびに履歴がデータとして残るので、それを家計簿がわりに使います。
利用明細は、アプリやウェブサイトから確認できますが、それでは習慣化できない人は、サイトからダウンロードして印刷する、もしくは手数料はかかっても紙の明細書を郵送してもらうのがおすすめ。
「これって何だっけ?」と思うような支出を削減しましょう。また、気づきにくい少額の「不正利用」の発見にも役立ちます。
また交際費について、親戚や友人との関係は大切にしたい一方、家計への負担が大きいならば見直しも必要でしょう。
たとえば年賀状じまいのように、お中元やお歳暮も「そろそろやめませんか」と提案して、今の家計に合った付き合い方を考えてもいいかもしれません。

