【黒沢 健太郎】MUSIC AWARDS JAPANとSTARTO社が”場外乱闘”で心配される「レコード大賞辞退の”二の舞”」
『M!LK』が受賞したことで……
「timelesz(タイムレス)」の猪俣周杜が9月19日に傷害で逮捕され、激震が走ったSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所、以下スタート社)だが、一方で『MUSIC AWARDS JAPAN』を巡る水面下でのトラブルについても、いまだ音楽業界から様々な声が挙がっている。
9月17日発売の「週刊文春」では、6月13日に行われたMUSIC AWARDSの授賞式で自社グループを抑えてスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ『M!LK』が各賞を受賞したことに関連し、スタート社の鈴木克明社長が各レコード会社に素材提供をめぐって抗議したと報じられた。
この”場外乱闘”は「MUSIC AWARDSの根幹の部分を揺るがすような出来事。話が広まった時点で『結局、旧ジャニーズと同じことをしてしまうのか』と運営幹部も驚いていた。音楽業界関係者たちはこの事態が週刊誌に報じられるのも時間の問題だと考えていたようです」(レコード会社関係者)という。
MUSIC AWARDSは’24年に発足した社団法人『CEIPA』が主催する大型の音楽賞。新人や楽曲などの様々な部門を設け、音楽関係者に限らずマスメディアやクリエイターなど幅広い有権者から票を募り、受賞者を選出するというシステムが用いられている。
本当に愛されたアーティストを決める賞に……
ある芸能プロ幹部はこう語る。
「MUSIC AWARDSの裏テーマはズバリ『アンチ・レコ大』です。’59年に創設された『日本レコード大賞』は、かつては日本の音楽業界のみならず芸能界にも大きな影響を及ぼす一大イベントでしたが、かねてから新聞記者による組織票やレコード会社による度が過ぎたロビー活動が横行していると問題視され、様々な暗部が露呈したことから世間の関心も低下の一途を辿っている。そのため、所属事務所やレコード会社の大きさでは決められない『その年に本当に愛されたアーティストや楽曲』を決める賞を作ろうと、“音楽業界の良心”で作り上げたのが、MUSIC AWARDSなのです」
『レコード大賞』といえば、視聴率を稼ぐ目的で演歌ではなくアイドルに組織票が集中したり、大手事務所の猛プッシュによりほぼ知名度のない新人が受賞を果たすといったような不透明な事態が慣例化されており、一時期は毎年のように週刊誌やネットニュースで“レコ大の闇”が報じられていたほど。
「MUSIC AWARDSの運営にはレコ大に携わっていた人物も多く、だからこそレコ大を『過去の反省』として新時代の音楽賞を新たに設立する流れになっていきました。にもかかわらず、その背景を知ってか知らずかスタート社は、『このままでは来年以降、スタート社のタレントは出演を見合わせることになりかねない』という趣意の通達をしたそうだ、と音楽業界で話題になっています。まさに歴史は繰り返すというべきか……」(前出・幹部)
希望通りじゃないなら、辞退
旧ジャニーズ事務所はレコ大についても、自分たちの要望が通らなかったことから出演やノミネートを辞退していた過去がある。’80年代には田原俊彦に近藤真彦、シブがき隊、少年隊と事務所を代表するアイドルやグループがデビューとともに最優秀新人賞を受賞していたが、問題が起こったのは’90年。同年にデビューしたグループ『忍者』の新人賞辞退だ。
「忍者が『希望した部門にエントリーしてもらえなかった』ため、ジャニーズサイドが辞退を表明したものと言われています。この出来事は当時も『週刊文春』が報じており、忍者の所属レコード会社関係者が実名で『演歌・歌謡曲部門で、と各方面にお願いしたのですが、ロック・ポップス部門に組み入れられた』『で、ジャニーさん(※故・ジャニー喜多川氏)と相談して辞退することにしました』などと証言しているんです」(スポーツ紙音楽担当記者)
MUSIC AWARDSとの関係はどうなる?
その後、旧ジャニーズは特例を除きレコード大賞にはエントリーしないという方針に切り替わり、他の音楽以外の賞レースに関しても『所属タレント同士で優劣をつけさせたくない』という大義名分で、基本的にすべて辞退するスタンスとなっていた。
「経営陣の世代交代などもあって、近年は授賞式に旧ジャニーズタレントが参加する機会も増えていました。しかし今回のMUSIC AWARDSでの出来事を見るに、やはり各賞レースに関しても“お客さん”として参加するだけでは収まらず、自分たちの都合を優先した上に『それが嫌なら引き上げる』というスタンスのように見えかねない。まだまだMUSIC AWARDSはレコ大に比べれば世間に浸透しておらず、認知度も低い段階ですが、果たして来年以降はスタート社に主導権を渡してしまうのでしょうか……」(前出・関係者)
MUSIC AWARDSの投票のシステムを大幅変更することは現実的ではないため、来年以降の授賞式ではスタート社のグループが「受賞したにもかかわらず一切登場しない」という事態もあり得る。新時代の音楽賞は、どんな折り合いをつけるのだろうか。
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