YouTubeチャンネル「萌々 地歴インフラ調査ch【ずんだもん解説】」が「教科書の『あの場所』へ。『余目トルコハワイ事件』現場を歩いて分かった当時の熱狂【判例聖地巡礼】」を公開した。動画では、山形県で起きた行政権の濫用に関する有名判例「余目トルコハワイ事件」の舞台を巡り、風俗店阻止のために急造された児童遊園が、数十年を経て本物の遊び場として定着している歴史の皮肉を解説している。

1968年、山形県余目町(現・庄内町)で個室付浴場「トルコハワイ」の建設が計画された。風紀の乱れを懸念した行政は、風俗営業を阻止するべく、建設予定地近くの廃校の校庭を「若竹児童遊園」として急遽認可。風営法における「児童福祉施設の200m以内での営業禁止」という規定を利用し、罠に嵌める形で営業停止処分を下した。

この処分を不服とした業者側は提訴し、最終的に最高裁まで争われる泥沼の法廷闘争へと発展。1978年に最高裁は、行政の行為を「著しい行政権の濫用」と断罪し、業者側が勝訴する歴史的名判決となった。

動画では、現在の事件現場を訪問。裁判に勝ったはずのトルコハワイ跡地はツタに覆われた廃墟となっていた。一方、行政が建前ででっち上げた若竹児童遊園は、遊具も現存し、地元の子供たちが無邪気に遊ぶ現役の公園として息づいていた。さらに、児童遊園に隣接する「常万皇大神社」の茂みの中に、男根信仰の道祖神が祀られている事実を紹介。「自分たちの店は教育上よろしくないから潰せというのは矛盾していないか」と業者側が法廷で突っ込んだというエピソードも明かされ、行政側の強引な手法をシュールに浮き彫りにした。

法学の教科書に載るほどの大事件の舞台は、数十年という長い時間をかけて浄化されていた。「法律というルールの上で業者が勝ち取った栄光は一瞬の幻」となった一方で、「大人の嘘と執念から始まった歪な空間」は本来あるべき姿へと生まれ変わった。現地に足を運ぶからこそ見えてくる、歴史のダイナミズムと奥深さを伝える内容となっている。

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