中国ゲーム企業が大幅減少した東京ゲームショウ、中国製造ブランドは逆に存在感
9月17日に開幕する「東京ゲームショウ2026(TGS2026)」は、今年で30周年を迎える。主催者によると、今回は759社が出展し、3946ブースが設けられる。51の国・地域から企業が参加し、会期も初めて5日間に拡大された。来場者は30万人を超える見込みだ。
一方、全体の規模が拡大する中、中国のゲーム関連企業の出展数は大幅に減少した。今年の中国からの出展企業は約93社とみられ、2025年の164社から約4割減った。昨年、主要エリアに大型ブースを構えた騰訊(テンセント)、網易(ネットイース)、完美世界(パーフェクト・ワールド)、畳紙(ペーパーゲームズ)、鷹角(ハイパーグリフ)などの中国ゲーム企業も、今回は姿を見せていない。
その背景の一つとして指摘されているのが、悪化が続く日中関係だ。現在の環境を踏まえ、中国の大手ゲーム企業の間では、日本市場での目立った露出を抑える動きが見られ、一部企業は関連イベントへの参加を見送ったり、状況を見守ったりしているとされる。
ただ、中国企業が東京ゲームショウから完全に姿を消したわけではない。むしろ注目されるのは、ゲーム企業の出展が減る一方で、中国の製造業企業による海外展開が続いていることだ。
TGS2026
これまで中国の製造業は、OEMやODMなどを通じて海外ブランドの製品を生産するビジネスモデルが中心だった。しかし近年は、研究開発やデザイン、製造能力の向上を背景に、「他社のために作る」だけでなく、自らブランドを立ち上げ、海外市場で製品を展開する企業が増えている。今回のTGS2026に出展する深セン市康冠科技(KTC)も、その一例といえる。
康冠科技は1995年に設立され、現在は6000人以上の従業員を抱える。そのうち1000人以上が研究開発エンジニアだ。広東省の深センと恵州にスマート製造拠点を構え、研究開発から生産までの体制を整えている。
同社は長年、ディスプレー端末製品を手がけ、世界的なディスプレーODM企業として事業を拡大してきた。スマートインタラクティブパネルやテレビのOEM・ODM、Mini LEDゲーミングモニターなど、幅広い分野で競争力を有している。31年にわたる事業を通じ、現在ではゲーミングモニター、モバイルスマートディスプレー、医療用ディスプレー、スマートミラーなど、多数の製品カテゴリーを展開する。
さらに近年は、これまで培ってきた研究開発、デザイン、製造能力を生かし、自社ブランドの育成にも力を入れている。越境電子商取引(EC)や海外販売網、現地に合わせたマーケティングなどを通じ、自社ブランド製品を世界各地に送り出している。その主要ブランドの一つが、ゲーミングおよび高性能ディスプレーを中心に展開する「KTC(Key To Combat)」だ。
KTCは現在、北米、欧州、日本、韓国、東南アジア、中南米など、世界各地の市場に進出している。長年にわたって海外ブランド向けの製品を手がけてきたことで培ったサプライチェーンと製造力を背景に、コストパフォーマンスの高さを武器として海外市場で存在感を高めている。アマゾンの海外各サイトでも販売を伸ばしており、日本のアマゾンでもKTCの複数のディスプレー製品が高い関心を集めているという。
KTCのディスプレー
今回のTGS2026への出展は、KTCにとって単なる新製品の発表の場ではない。日本のゲームユーザーやeスポーツプレーヤー、さらに世界のゲーム産業関係者に自社ブランドをアピールする機会でもある。会場では複数の新製品や高性能ゲーミングモニターを展示する予定で、正式発売前の最新モデルも披露されるという。
KTCディスプレー
今年の東京ゲームショウでは、中国のゲーム企業の存在感が以前に比べてやや落ち着いた印象を受ける。一方で、中国の製造業企業は、自社ブランドや製品、技術を武器に、海外市場で新たな成長機会を模索している。「中国企業の海外進出」という流れは、ゲーム産業から製造業へと、その姿を変えながら続いているようだ。(翻訳・編集/RR)

