猛暑、豪雨、台風…コメ農家の倒産・廃業が増加中
記録的な米価の高騰で「令和の米騒動」といわれた昨年から急転、今年のコメ市場は消費減と民間在庫の増加から米価は下がり続けている。
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加えて今年、コメ農家は猛暑、豪雨、台風の影響を受け、収穫の遅れや収穫量、等級に大きな影響が出てきている。ここ数年コメ農家の倒産・廃業が増加しているが、今年はさらに増え過去最多に達する可能性がある。
帝国データバンクによると、2026年1~8月に発生したコメ農家の廃業は28件、倒産4件で累計32件が生産現場から撤退した。3年連続で30件を超え、昨年の通期廃業件数は37件だが、今年は生産現場の状況から40件を超え過去最多を更新する可能性が高い。同社情報統括部の飯島大介氏がこう述べる。
「昨年は概算金や買い取り価格の上昇で損益が改善し、農機具などに設備投資をした生産者が増えました。ところが今年は概算金が昨年比大幅下落(2~4割)し、赤字を抱えて経営を継続できないという生産現場の声が増えています。また高齢化とマンパワー不足のうえに今年は猛暑、豪雨、台風の被害を受け今後撤退するコメ農家は増えると思われます」
8月13日から14日にかけての未曽有の豪雨の影響を受けた千葉県大網白里市。冠水で泥をかぶり稲を廃棄した水田は2カ所、ゴミがたまり一部を廃棄した水田が1カ所あった。被害は予想を下回ったが、昨年収穫前から殺到した仲買が今年は顔を見せず、JAの倉庫は在庫が増えている。JA山武郡市農業協同組合・大網経済センターの山老秀昭所長がいう。
「当初は1万4000~1万5000円だった概算金は徐々に下がり、1万円から9000円を提示された農家もある。コスト指標の60キロ2万535円に届かず赤字で続けられる状態ではなく、気力がなくなり農地を手放す農家は増えてくるでしょう」
8月27日にレベル5大雨特別警報が発表され石川県、富山県。例年なら9月前半は収穫のピークだが、豪雨の影響で大幅に遅れている。9月4日時点の被害状況は、JA富山では倒伏(稲が倒れる)が500ヘクタール、冠水が515ヘクタールだった。24時間以上冠水した稲は等級が落ち、泥に漬かれば臭いが出て売り物にならない。全農富山県本部の概算金は他より高い2万円を提示。JA富山の担当者がいう。
「昨年、一昨年と米価の上昇でもう少し頑張ろうという米農家が多かった。しかし、高齢化に加えコスト指標の2万円強を割った赤字では経営を続けられない、という農家が今後増えることは避けられません」
市場ではすでに5キロ2500円で販売との情報もある。消費者にとっては願ってもないが、コメ農家にとってはまさに死活問題になっている。
(木野活明/ジャーナリスト)
