テスラの「レアアースゼロ」モーター

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2026年9月9日、中国メディア・観察者網は、米テスラが発表した「レアアース完全不使用」の新型モーターについて、真の価値は技術的飛躍ではなく車体設計の自由度向上と対中サプライチェーン依存からの脱却にあると報じた。

記事によると、テスラは米テキサス州で開催した自動運転タクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」の発表会で、レアアースを一切使用しない新型の永久磁石モーターを公開した。同社は、従来のトップクラスの駆動ユニットに比べて18%小型化し、25%軽量化されたほか、出力密度や効率も向上していると説明しており、イベントを欠席したイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)もSNS上で、同モーターにレアアース金属を使用していないと補足したという。

記事は、この発表について米電気自動車(EV)専門メディア「Electrek」のコラムニスト、ジェイムソン・ダウ氏が、モーター単体の効率向上という点では劇的な進展とは言えないと分析したことを紹介。ダウ氏は、現行のEVで最も低効率なモーターであっても入力エネルギーの90%以上をトルクに変換できていると指摘した上で、テスラがサイズと出力の改善率を公表しながら効率向上の具体的な数値を明らかにしていないのは、向上幅自体がごくわずかであることを示唆しているとの見方を示したことを伝えた。

また、ダウ氏が新型モーターの真の価値の一つとして、小型化による車両設計の自由度向上を挙げ、レアアースを使わずに必要な出力密度を確保して小型化できれば、サイバーキャブのような小型車両の限られたスペースを有効活用でき、車両全体の緻密な最適化を通じて超高効率なEVを実現できると説明したことを紹介している。

さらにダウ氏の見解として、レアアース排除のもう一つの本質的な動機が中国に集中するサプライチェーンからの脱却にあると指摘。世界のレアアース精錬・加工の大半を中国が掌握しており、中国による輸出規制などを背景に、中国国外での供給確保や使用量の大幅削減が自動車各社にとって切迫した課題になっているというダウ氏の見方を伝えた。(編集・翻訳/川尻)