平井拓郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「どれぐらいからバンドは「売れた」と言えるのか」を公開した。「武道館をやっても微妙」と、音楽ビジネスにおける利益構造の罠を指摘しつつ、バンドにとっての「売れる」の定義について独自の視点で語った。

動画の冒頭で平井氏は、サザンオールスターズのような国民的ヒットは例外としつつ、一般的なバンドにとっての「売れた」基準は立場や視点によって異なると指摘する。自身が20歳の頃は「月に15万手に入りながら全国のライブハウスを足しげくツアーして、ぼんやり生きてんのよ」と、それが理想だったと回顧。その基準から見れば、フェス出演やメジャーデビューを果たした自身のバンドは十分に「売れた」と言えると語った。

しかし、レーベルなど企業側の視点に立つと、見え方は大きく変わるという。平井氏は「武道館が1万人だとして、チケット代3000円だとして3000万円。経費が1500万円かかったとしよう」と仮定し、「1500万円の売り上げ(利益)でしょ。微妙」と企業目線での厳しい現実を解説する。さらに「従業員が3人いるとしたら、年間にかかるお金が1500万かかっちゃう。武道館なんて何回もできないじゃない。せっかくの大切な武道館の粗利1500万円が、レーベル社員の給料で相殺されてなくなっちゃいました」と、表面的な規模の大きさと実際の利益が伴わない音楽業界の構造を指摘した。一方で、キャパ200人の地方ライブハウスを自分たちで回る方が、経費がかからず手元に残る利益は大きいケースもあるとし、世間からの見え方とビジネスのズレを語った。

動画の最後で平井氏は、誰の目から見ても「売れた」と言える明確な基準として、「年間売上1000万を一回でも記録したら売れてるでいいんじゃない」と断言。たとえ経費がかさんで赤字だったとしても、「1000万を確実に売り上げた需要があったっていう証明ですよね」と語り、規模に関わらず確かな価値を生み出した事実こそが成功の証であると結論づけた。

チャンネル情報

メジャーデビュー、ロッキン等大型フェス出演を経験した平井拓郎が、音楽業界のリアルな裏側を日水金20時に発信。 バンドの現実と成功のウラ側 夢と金の間でもがく表現者への指針 経営者視点の音楽ビジネス 実体験に基づく失敗談や業界のウラ話など、本気で音楽を志す方や好奇心旺盛な方へ届けます。