不破聖衣来 初マラソンは笑顔の2位、苦悩を乗り越え復活「体の感覚が良かった。ひとまず安心」…MGC出場権も獲得
◆北海道マラソン(30日、大通西4丁目・札幌駅前通発着=42・195キロ)
女子は38歳のベテラン新谷仁美(積水化学)が大会新記録の2時間24分14秒で優勝した。マラソン初挑戦の不破聖衣来(ふわ・せいら、23)=三井住友海上=は2時間26分4秒で2位と健闘し、MGC(28年ロス五輪日本代表選考会、27年10月3日・名古屋)の出場権を獲得。マラソンで再び、輝きを取り戻した。男子は湯浅仁(25)=トヨタ自動車=が2時間10分46秒で優勝。男女ともに上位3選手がMGC出場権を獲得した。注目の吉田響(24)=サンベルクス=は9位に終わった。(晴れ、気温20・8度、湿度65%、東の風0・8メートル=午前8時30分スタート時)
多くの陸上ファンを魅了する不破スマイルでゴールした。「2時間30分でMGC獲得」。レース前の目標をいずれもクリア。タイムは約4分上回った。「体の感覚が良かった。無事に走り切ることができ、ひとまず安心」と胸をなで下ろし「予定より速いペースでも楽に感じたので、ペースを落とさず、臆せずに走りました」と初の42・195キロを振り返った。
しかし、100%満足しているわけではない。「(会見で同席した)新谷さんは30キロで余裕があった、と言っていましたけど、私はいっぱいいっぱい。力不足を痛感しました」と勝者をたたえ、謙虚に話した。
事実、30キロ以降の12・195キロで新谷に約2分の大差をつけられた。ただ、マラソンランナーとして、確かな一歩を踏み出したことは間違いない。
5年前、不破は一躍ヒロインとなった。拓大1年時の2021年、圧巻の走りを続けた。10月の全日本大学女子駅伝5区で区間新記録をマークし、チーム史上最高の3位に貢献した。12月には1万メートルを30分45秒21で走破。日本歴代2位(当時、現3位)、日本学生記録をマークした。しかし、その後、故障が続き、低迷。トラック種目では1年時にマークした自己ベスト記録を更新できないまま、25年に拓大を卒業した。
今春、三井住友海上に入社後、マラソン挑戦を見据え、地道に走り込んだ。今年2月、全日本実業団ハーフマラソンで吹雪の中、1時間9分39秒で4位と力走。「少しずつ状態は上がってきました」と手応えを明かす。
まだ、23歳。勝負はこれから。苦悩を乗り越えたマラソンランナーは強い。(竹内 達朗)
◆不破 聖衣来(ふわ・せいら)2003年3月25日、群馬・高崎市生まれ。23歳。高崎市立大類中3年時の17年全日本中学校選手権1500メートルで優勝。21年、高崎健康福祉大学高崎高から拓大に入学。同年12月、1万メートルで日本歴代2位(当時、現3位)、日本学生記録の30分45秒21をマーク。25年、拓大を卒業し、三井住友海上に入社。姉・亜莉珠(ありす、センコーグループ)、妹・珠衣琉(じゅえる、高崎健康福祉大学高崎高2年)も長距離選手。154センチ、37キロ。
