【武藤 弘樹】フリマサイトで小2の娘の夏休みの「宿題代行」を実際に頼んでみたら…届いた読書感想文と自由研究の「驚きの中身」

写真拡大 (全6枚)

フリマサイトで「宿題代行」を実際に購入してみた

フリマサイトの隆盛で一般人による商売が多角化し、“宿題代行”なる市場が開拓された。

文部科学省は2018年、メルカリ・ヤフー・楽天の大手フリマ3社と規制強化の合意を交わし、宿題代行の取り締まりを始めたが、それから8年が経つ2026年現在も、「参考例」「文例」といった体裁をとることで規制の網をかいくぐり、売買され続けている。

当記事ではその実態に迫るべく、あるサイトで実際に出品されているものを2点購入してみた。購入することが宿題代行業者を間接的に肯定してしまう側面に当然個人として逡巡はあったが、メディアを通じて“宿題代行”問題を広く正確に知ってもらうことにより重きを置くこととした。勝手ながらの判断ではあるがその点ご承知おき願いたい。

ひとつめは、「読書感想文の文例」として1300円(送料込み)で出品されたものである。

「予備校講師の経験あり」という人物が、購入者の指定した本・文字数・学年にしたがって「文例」を送ってくれる、という仕組みである。

筆者に小2の娘がいるので、私自身のその学年にあたる子どもの文章力への解像度は比較的高いと思い、実際にうちが夏休みの読書感想文として課されている800字を「小学2年生向け」で指定。

対象の本は、今年の読書感想文コンクールの低学年向け課題図書になっている『まことちゃんとコトバロボ』をお願いした。主人公が宿題を代行してくれるロボットに出会い、楽な生活を謳歌するが……という内容で、宿題代行業者に依頼する図書としてはこれ以上ないくらい皮肉が効いている。

商品が届いたのは購入から3日後で、よくある細長い茶封筒(長40)にA4の紙(原稿用紙2枚分)が4つ折りで入っていた。

この内容を本当に宿題代行として利用するなら、児童は印刷された文字を自前の原稿用紙に一文字ずつ書き写していく必要がある。また、途中で「※ここはご自身の体験に書き換えてください」といった指南もあり、完成品は一応ひと匙のオリジナリティが加えられることになる様子である。

業者もAIで作成している?

書かれていた内容は、読書感想文としてしっかりテンプレが押さえてあって、幼さはあるものの小2にしては全体がよくまとまっており、大人がサポートして仕上げたのならまあ納得の内容、という印象であった。

最後のまとめでは、順当ではあるが「誰かにやってもらうより自分でやるのが大切だと思いました」といった感じで、これを書いているとき「代行業者は良心の呵責を感じたのだろうか」などと思わされた。

購入から比較的すぐ届いたので、「指定図書を図書館で読んだのかな」「丁寧な仕上がりだし、結構労力かけるわりに1本1300円はなかなかタフな商売だな」などとも思ったのだが、ひょっとしたらAIに書かせたのではないかという邪推がひらめいた。

そこでうちのAIに同じ条件で書かせてみると、本の内容まで勝手に調べてそれっぽい読書感想文を仕上げた。

さらに「その業者の作文を貼ってくれれば、どれくらいAIっぽいか判定する」と提案するので、興が乗って言われるがままにすると、「両者細かい部分は違うが非常に近い表現・構成・結論が随所に確認された」結果となった。

当然AIに限らず、人がテンプレに則って書いてもその文章構成にはなりえるから、AIが作成したとは断定はできない。AIの件はあくまで余興として留め置いて頂き、ここでは事実として、「読書感想文の代筆業者は納得のいく商品を納品してきた」ということがわかった。

「名前を記入して提出するだけ」と謳う自由研究

次に自由研究である。特定を避けるために言い回しを少し変えるが「先生がうなるクオリティ」のように銘打たれている商品を購入した。

こちらは送料込みで2500円。実験結果まとめ系の自由研究で、出品者がいくつか用意してある題材の中からランダムで送られてくる。他の購入者とのコメントのやり取りを見ていると、出品者からは「名前を記入して提出するだけ」とも説明されていた。

興味深いのは商品カテゴリで、同出品者がいくつか出している「自由研究」の商品は、「学習参考書」などに統一されておらず、「ベビー用品」や「スニーカー」など、学習に関係のないジャンルに散らばって設定されていた。

商品概要には「あくまで参考書のようなものなので出品ガイドラインには触れていません」と説明があるものの、商品カテゴリを散らすあたりに怪しさが漂っている。

小学校低学年の娘向けに、とリクエストを出し、購入から3日後に送られてきたものはA4の紙8ページの、「水と油の混ざり具合について」といった内容のもの。

実験の細かさやカラフルなレイアウト、グラフや図形がふんだんに使われている様子などから「いくらなんでもこれは小学校高学年〜中学生でも作成が難しいのではないか」と思わされた。しかし親が助力すればこれくらいのクオリティもないとは言い切れないから、まあ提出が不可能というレベルではなかった。

最後のページには実際に提出する際のガイドが書かれていて、「自分で写真を数枚撮って張り付ける」とあった。撮影のために一応実験は準備しなければならないから、完全なるおんぶにだっこの自由研究、というわけでもないらしかった。

・・・・・・

【つづきを読む】読書感想文9000円、自由研究2万円…なぜ親たちは「宿題代行」に手を伸ばすのか?港区の母親が語った本音

【つづきを読む】読書感想文9000円、自由研究2万円…なぜ親たちは「宿題代行」に手を伸ばすのか?港区の母親が語った本音