折りたたみスマホ続々、アップルも近く参入か…「大画面で動画視聴」「2画面で作業並行」アピールで差別化図る
大画面を搭載し、折りたたんでコンパクトにもなる「折りたたみスマートフォン(スマホ)」に新製品の発売が相次いでいる。
通常のスマホは画質や電池など性能面で差別化が難しくなる中、ほぼ2倍の大きな画面で動画などを楽しめるのが特徴だ。シェア(占有率)を広げられるか、注目される。(鈴木瑠偉)
アップルも近く参入か
米グーグルは、横折りスマホの新製品を20日に発売するのを前に、12日から予約受け付けを開始した。開いた状態で5ミリ・メートルの薄さや239グラムの軽さが売りだ。開くと従来型のほぼ倍の大画面でありながら、気軽に持ち運べる端末だとアピールしている。
韓国のサムスン電子も7日、折りたたみスマホの新製品を発売した。同社は横折りに加え、縦折りの製品も準備する。中国のレノボ・グループの日本法人も4日、初めて日本市場に横折りのスマホを投入した。
さらに市場では、米アップルが、初めての折りたたみスマホを近く導入するとの見方が浮上している。
米調査会社IDCは、アップルの参入を織り込み、2026年の折りたたみスマホの世界出荷台数が前年比で約3割増えると予測。MM総研によると、国内の折りたたみスマホの出荷台数は25年度は33・4万台だが、30年度にはおよそ5倍の153万台になる見通しだ。

性能面の向上だけでは買い替えてもらいにくく
各社が折りたたみスマホの販売を強化するのは、スマホの価格が高騰し、画質や電池、カメラなど性能面の向上だけで消費者に買い替えを促すことが難しくなっているためだ。折りたたみスマホは、従来と違う使い方が提案でき、差別化を図ることができる。
モデルによるが、閉じた状態ではポケットに入れたり、移動中にメールをチェックしたりと従来のスマホと同様の使い方ができる。一方、開けば大型の画面になるため、卓上において動画を楽しむといったことができる。サムスン電子ジャパンの小林謙一常務は「多くの種類の製品で、様々なニーズを捉えたい」と語る。
また、二つの画面を使って別々の作業をするといったことも可能になる。一方の画面でAI(人工知能)に作業をさせながら、もう一方で人間が文字を打ち込むといった使い方だ。グーグルの開発担当者は「AIの進化で端末の形状も変化していくだろう」と話す。
価格の高さや選べる製品の少なさ課題
普及への障壁の一つが価格の高さだ。サムスンの横折りスマホの販売価格は、税込み26万9880円からで、最上位モデルは38万6780円となる。特殊な部品を多く使うことで、製品自体の価格が高額になりやすいという。
現状では、折りたたみスマホの年間販売台数はスマホ全体の1%未満とされている。BCN総研の大嶋敬太アナリストは「価格の高さや選べる製品の少なさが課題だ。一方、メーカーが技術を競える新しい分野でもあり、一気に競争が激しくなる可能性もある」と指摘している。
