「帰省なんてしたくない…」総勢15人が大集合する義実家。〈大渋滞・地獄の家族サービス・費用は10万円超〉お盆休みに待ち受ける37歳嫁の苦難

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お正月やゴールデンウィークと並び、大型連休となる人も多い「お盆」。実家や義実家へ帰省し、親族で集まるのを恒例行事としている家庭も多いでしょう。しかし、妻側からは「気疲れと出費ばかりでまったく休まらない」という悲鳴が聞かれることも少なくありません。義実家帰省に憂鬱が止まらない30代主婦の事例と共に、夫婦の温度差やこれからの帰省のあり方を見ていきましょう。

行きから大渋滞…到着した瞬間から「怒涛の買い出し&炊事」

都内の企業で事務のパートとして勤務する松本恵さん(仮名・37歳)。38歳の夫、小学5年生の長男、小学2年生の長女の4人暮らしです。

松本家では毎年お盆になると、長野にある夫の実家へ3泊4日で帰省するのが恒例となっています。義実家には義両親をはじめ、夫の兄夫婦(子ども3人)、義妹家族(子ども2人)も集まり、全員揃うと総勢15人という大世帯に。

日頃会えない親族が一堂に会する機会の大切さは理解しつつも、恵さんにとってお盆休みは憂鬱でしかありません。体力的にも金銭的にもすり減る、地獄の家族サービス期間だからです。

「去年のお盆は本当に大変でした」――恵さんは振り返ります。

帰省初日。早朝に出発したものの、案の定、高速道路は大渋滞。事故の影響もあり、通常なら5時間で着く道のりが7時間以上もかかる事態に。猛暑の中での長距離移動、混雑するサービスエリア……運転で疲れた夫に気を遣いながら、義実家に辿り着く頃にはすでにヘトヘトです。

しかし、到着してホッとする暇もなく「戦闘開始」。まずは大人数分の食材を調達するため、近くの大型スーパーへ。義母や義姉と一緒に台所に立ち続け、大量の料理を作り、配膳し、片付けるの繰り返し。子どもたちの成長で食べる量が増え、負担は例年よりいっそう大きくなりました。

なにより恵さんの負担になるのが、周囲への気遣い。夫にとっては慣れ親しんだ我が家で、ビールを飲みながらゴロゴロとテレビを見たり、兄弟で思い出話に花を咲かせたりとリラックスモード。一方、恵さんにとってはどこまでも他人の家です。義母から「恵さんは手際がよくて助かるわ」と褒められても、心は休まりません。

昨年の帰省費用は10万円超…

最終日の帰り道はUターンラッシュのピーク。行きの比ではない大渋滞が発生し、通常なら5時間の道のりがなんと10時間以上もかかる事態に。

それにもかかわらず、夫は「いやー、久しぶりにみんなで集まれて楽しかったな。子どもたちも喜んでたし、やっぱり帰省はいいもんだ」と満足の様子。恵さんの苦労や疲弊には気づいていないのか、気づかないふりをしているのか……。

昨年のお盆帰省でかかった費用をメモで見返すと、ため息しか出ませんでした。

【帰省費用】
・高速道路料金・ガソリン代:約25,000円
・義実家や親族への手土産・お中元:15,000円
・買い出し費用(食費・酒代の折半):約35,000円
・親戚の子どもたちへのお小遣い・雑費等:約30,000円

合計:約10万5,000円

「新幹線じゃない分、費用はこれでも抑えているほう。ですが、物価高もあって、全体的に費用は上がる一方です……」

体力・精神・お金の面ですり減ったお盆休み。その後、ボロボロの状態で仕事に戻った恵さんは、一つの「決心」をしました。

「昨年まで我ながらよく頑張ったと思います。でも、今年を最後に、“お盆に必ず帰省する”というルーティンは終わりにします。来年は長男も小学6年生で夏期講習が忙しくなるし、お金もかかるので」

夫には、「実家に帰りたかったら1人で帰ればいい」と伝えたといいます。

「実は義理のお姉さんも『来年は子どもたちの塾合宿を理由に回避したい』ってボソッと漏らしてたんです(笑)。嫁の立場だと、そうなりますよ。“帰省なんかしたくない”と内心思いながら行くのも、義両親になんだか失礼ですし……いつまでも同じようには集まれませんよね」

 「全員で義実家に集まる」にとらわれない新しい選択肢

家族そろって義実家に帰省し、元気な姿を見せることが親孝行――。そんな考え方は今も根強くあります。一方で、子世代にとっては、長距離の移動に加え、帰省先での家事や親族への気遣いなど、目に見えない負担も少なくありません。

ソニー損保の『2026年お盆の帰省に関する調査』によると、「自分の実家へ帰省することにストレスを感じる」割合は24.9%。一方で、「配偶者の実家へ帰省することにストレスを感じる」割合は、42.2%。女性だけを見ると51.1%と半数を超えています。

また、帰省を受け入れる親世代側も、準備や食事の支度、片付けなどに負担を感じているという声も聞かれます。

だからこそ、これまで当たり前とされてきた「お盆には家族全員で帰省する」という形にこだわらず、それぞれの家庭の事情に合わせて、帰省の方法を考えることも選択肢の一つでしょう。

たとえば、

・お正月とお盆のどちらか片方だけ帰省する(特に体力を消耗しやすい夏場のお盆帰省はやめる)
・滞在期間を3泊から1泊に短縮するか、日帰りにする
・義実家には泊まらず、近くのホテルに宿泊する
・妻は自分の実家へ、夫は自分の実家へそれぞれ帰省する(セパレート帰省)

など、負担を減らしながら親族と顔を合わせる方法はいくつもあります。

親族の集まりや絆はもちろん大切です。ただ、「みんなで集まること」だけを親孝行と考えず、それぞれが無理なく続けられる形を探すことが、結果として家族の関係を長く保つことにつながるのではないでしょうか。

出典:ソニー損害保険株式会社『2026年お盆の帰省に関する調査』