帰省シーズンの新幹線はトラブルの宝庫

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 いよいよ帰省シーズンがやってきた。お盆の帰省の際に新幹線を利用する人は多いだろう。しかし、新幹線の乗車時間が長くて退屈だったり、トイレに行きたくなったりして大変、という人も多いかもしれない。

 そこで、現役のJRグループの社員A氏に、新幹線車内で快適に過ごすコツについて話を聞いた。また、お盆の時期に予約困難になる新幹線の指定席の取り方についても、レクチャーしてもらった。【取材・文=宮原多可志】(全2回のうちの第2回)

【写真】削減が進むみどりの窓口に代わって設置が進む「話せる自動券売機」を実際に使ってみた

食べ物の確保とトイレの確認

 長時間の移動になるため、新幹線の車内では少しでも快適に過ごしたいもの。Aさんは、よく新幹線を利用する社員がやっているというテクニックを教えてくれた。

帰省シーズンの新幹線はトラブルの宝庫

「まず、飲み物や食べ物は、多めに買い込んでおくことがポイントです。特にお盆などは車内混雑で物理的に通路が埋まってしまい、車内販売が来ない場合があります。車内販売がそもそもない列車も増えましたから、車内販売はあてにしないようにしましょう」

 新幹線の移動中に困るのがトイレの問題である。高齢者や子供と一緒に移動する際、心配している人も多いだろう。家族の切符を手配する際には、号車を意識して取るようにするといいそうだ。

「みどりの窓口で駅員に聞いて、子供連れやお年寄りは、多目的トイレに近い車両の席を取るといいでしょう。新幹線のトイレは店や家と違って狭かったりします。トイレに行く頻度が高い人はトイレ近くの通路側の席を取るなど、ちょっとした工夫で旅が快適なものになります」

車内で動画を見る場合のコツ

 車内で動画を見る人も多いが、意外に新幹線車内で使えないのがWi-Fiである。昨今開通した新幹線ほど山岳地帯を通り、長いトンネルが多い。そんなこともあって、新幹線は電波状況が芳しくなかったりするのである。

「電波状況が悪い区間でも動画や漫画を楽しめるよう、ダウンロードしておくのがおすすめです。長いトンネルでは電波がほとんど届かない区間もあります。あまり車内Wi-Fiは信用できないので、対策はしておきましょう」

 また、目的地までとにかく寝ることもおすすめだ。ビールや日本酒を飲んで寝ると、新幹線の振動音などが心地よく感じられ、かえって快適に睡眠できることが少なくない。

「身も蓋もありませんが、『どうせ電波も届かないし、仕事で疲れたし、酒飲んで寝るわ』という人は社員にも多いですよ(笑)。帰省シーズンは、朝だろうが、昼だろうが、車内でお酒を飲んでいる人は意外と多い。大声を発したりするのは困りますが、あまり周囲を気にせずに、飲んで、寝てください。

 ただし、乗り過ごしや忘れ物には気をつけていただきたいです。新幹線の場合は一駅乗り過ごしただけでも、大変なことになってしまいますから」

指定席を取るテクニックは?

 ギリギリになって帰省の必要が出てきた人が、直前でも新幹線の指定席を確保できる、テクニックのようなものはあるのだろうか。Aさんは「正直、そんなテクニックは存在しません」と断言しながらも、こう話す。

新幹線のデッキなどに立って乗る“立席”特急券は、よっぽどのことでなければ完売しません。なので、指定席が取れなかった場合は、立席で帰省することを検討するしかないと思います。とはいえ、“疲れるのでどうしても座りたい”という方には、以下の方法をおすすめします。

 基本は、ネットの予約サイトを使い、こまめに空席のチェックをすることです。急に帰省が必要になる人がいるように、急に帰省できなくなる人もいますから、その隙を狙うのです。お盆の時期にこれで指定席が取れたら、かなりの強運の持ち主だと思います。

 臨時列車の空席を見るのもポイント。いつも運行されている新幹線から埋まりやすい傾向にあり、増便の分は見落とされがちです。車内販売がない、停車駅が多い、在来線との接続が悪いなどのデメリットもありますが、新幹線停車駅間しか乗らない人には穴場だと思うので、私も窓口でおすすめしています」

少しでも座りたい人は

 どうしても座りたいという人のためには、こんなテクニックもある。窓口で「一駅でもいいので、座りたいです」と粘り、立席と着席(通常の指定席)が混在した切符を作ってもらうといいそうだ。

「“満席”と言われると、始発から終点まで全部の席が埋まっているのかと思いきや、実はそうでもありません。例えば、東北新幹線でいうと、仙台までは満席でも、それより先の一部区間は空いている場合があります。窓口では、同じ新幹線の空いている区間は座り、満席になったら立ちながら終点まで乗る、という切符を作成できます。

 ただし、作るのが手間な割に販売価格が変わらないので、作るのを渋ったり、断ったりする窓口係員が多いのは事実です。

 正直言って、係員も人を見てから提案していることもあると思います。私は、若者単体なら『立席でも乗れるし、指定席分は数百円安いですよ』と提案してから、それでも座りたいですと言われてから提案していました。子供連れやお年寄りで、長時間立席がキツそうな方には早めに提案していましたね」

 このテクニック、実はかなり旅慣れている筆者でも知らなかった。Aさん曰く、「窓口で最初に提案されることは滅多にないので、交渉次第になる」そうである。

お盆の新幹線代を安くする方法は

 お盆の時期は繁忙期に当たるため、通常よりも指定席料金は割高になる。家族で旅行をすると、指定料金を合わせると昼食の駅弁1個が買えてしまうほどだ。新幹線代を少しでも安く上げる方法はあるのだろうか。

「お盆の時期でも、ネットの早期予約などの割引があります。ただ、どのくらい席数が用意されているかは、窓口ではわかりません。取れたらラッキーだと思いましょう。私は、早期予約の争奪戦に参加しておいて、落選したら金券ショップに駆け込んで株主優待を買う、というのが比較的おすすめかなと思います。

 正直、お盆の時期に使える割引は株主優待と学割くらいです。株主じゃなくても優待券があれば使えるので、金券ショップでの販売価格や乗車区間にもよりますが、トータルでは定価以下になる場合が多いです。あまり社員としては、この方法は勧めるとよくないのかもしれませんが……」

 なお、学割はしばし、必要な枚数だけを取る人が多い。しかし、予定変更があったのに、少なく取っていたせいで肝心な場面で使えず、後悔してしまうこともある。念のために、多めに発行してもらった方が安心だ。

 切符の購入の際も、そして移動中も賢く新幹線を利用し、快適な帰省にしたいものである。

 第1回【帰省シーズンの新幹線で「忘れ物」と同じくらい多い“トラブル”とは? 「最近はイヤホンで音楽を聴きながら移動する人が増えたので……」】では、お盆のシーズンなど、混雑期に新幹線に乗車する際に気をつけるべきことについて、現役のJ R社員に伺いました。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部