佐渡島の金山の労働者に関する展示館などを案内する「相川郷土博物館」の案内パンフレット別冊。[写真 韓国外交部]

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日本政府が、世界文化遺産「佐渡島の金山」で朝鮮人労働者が動員されて強制労役に苦しめられたという歴史的事実を十分に伝えるとの当初の約束を適切に履行していないとする内容を盛り込んだ国際機関の決議文が採択された。国連教育科学文化機関(ユネスコ)傘下の世界遺産委員会は「佐渡島の金山」について、採掘が行われた全ての期間にわたる「全体の歴史」を現地での解説や展示に反映させ、その履行状況を改めて報告するよう勧告した。

韓国外交部によると、23日午前、釜山海雲台(プサン・ヘウンデ)のBEXCOで開かれた第48回ユネスコ世界遺産委員会は、こうした内容を盛り込んだ決議文を討論なしで合意として採択した。この決議文は、2024年の世界遺産登録時に日本に求めた追加措置の履行状況を評価した結果だ。

これに先立ち、世界遺産委員会が15日に公開した決議文案には、日本が佐渡島の金山に関する展示施設である相川郷土博物館で実施している現在の解説・展示戦略について、鉱山が操業した全ての時期にわたる「全体の歴史(whole history)」を現地でどのように示しているのか、「さらなる明確化が必要だ」との内容が盛り込まれていた。

「全体の歴史」とは、日帝強占期に日本によって朝鮮人が鉱山で強制的に労役に従事させられた歴史を含む概念だ。世界遺産委員会は「全体の歴史に関する解説・展示戦略には一定の進捗は見られるものの、依然として進展の余地が残されている」と指摘した。決議文は、日本に対し「関係当事国と緊密に協議」しながら展示戦略や展示施設を改善するよう勧告し、その進捗状況も定期的に世界遺産センターへ報告するよう求めた。

佐渡島の金山は、日帝強占期に約1500〜2000人の朝鮮人が連行され、強制労役を強いられた場所だ。韓国政府は2024年、日本がこうした歴史的事実を明示することを条件に、佐渡島の金山のユネスコ世界文化遺産登録に同意した。しかし、その後日本側が用意した展示や報告書には、強制動員を直接示す表現は盛り込まれなかった。

日本が昨年12月に提出した保全状況報告書(SOC)には、相川郷土博物館における朝鮮人労働者関連展示などの追加措置が盛り込まれたが、展示や案内では「朝鮮半島出身労働者」との表現があるだけで、動員や労働の強制性を認める表現はなかった。このため韓国政府は、日本と2回にわたり局長級協議を行い、ユネスコ事務局や世界遺産委員国にも、日本の措置は不十分だとの立場を伝えてきた。この日の決議文採択には、韓国人が従事した労働の強制性を明確にすべきだとする韓国政府の立場が反映されたとの見方が少なくない。

これに先立ち、世界遺産委員会は決議文案で、日本政府に対し2027年12月1日までに新たな履行報告書を提出するよう求めていた。世界遺産委員会は2028年に開かれる第50回世界遺産委員会でこの報告書を審査する予定だ。ただ、外交筋では、勧告に従わなかった場合の不利益措置がないため、日本政府が追加措置を講じるかどうかは不透明だとの見方も出ている。

木原稔官房長官は16日の記者会見で、佐渡島の金山の歴史展示が不十分だとの指摘について、「政府としては登録当時の決議を真摯に受け止め、誠実に対応してきている」という従来の立場を示した。その上で、「(決議文では)全体の歴史に関する説明や展示を含む、世界遺産登録時に勧告された事項の進捗状況について一定程度評価されており、また今後の取り組みについても言及があるものと承知している」と述べ、「今後とも日本側の立場に関する関係者への丁寧な説明を含めて、適切に対応していきたい」と付け加えた。