阪神・佐藤輝明 胸元150キロに怒り収まらず 広島戦で相次ぐ“死球禍”バット放り投げ感情あらわ
◇セ・リーグ 阪神1―2広島(2026年7月18日 マツダスタジアム)
阪神・佐藤輝明内野手(27)が、18日の広島戦(マツダスタジアム)で、危険な1球に対して怒りをあらわにした。8回、ハーンの投じた150キロの抜け球が胸元を襲い、間一髪で死球を回避。空振り三振後も怒りが収まらず、ベンチ内でヘルメットを4度叩き付けた。チームは前日17日に1試合3死球を受けており、前川右京外野手(23)が右肩甲骨骨折の重症を負ったばかりだった。打線も天敵・栗林に封じられ、後味の悪さが残る一戦になった。
一触即発の空気が、マツダスタジアムに漂った。1点を追う8回1死。佐藤輝の胸元へ向け、ハーンの抜けた直球が襲いかかる。間一髪でかわした直後、バットを放り投げた。そのまま大股で一歩、二歩と、マウンドへ近づいた。ただならぬ気配を察した捕手の持丸が、慌てて間に入りかけた。それほどの、けんまくだった。
空振り三振に倒れた後も、怒りは収まらない。ベンチに戻るやいなや、ヘルメットを4度も叩き付けた。「切り替えはうまい方」と自認する虎の主砲が、これほどまで感情をあらわにするのは極めて珍しい。球速は150キロ。当たっていれば、相当なダメージを負ったことは容易に想像できた。しかし、これは単なる自己防衛の怒りではなかったはずだ。
前日17日はチームとして1試合3死球を受け、前川が右肩甲骨骨折の負傷をしたばかりだった。4月26日には、近本が左手首への死球で骨折をしている。このカードで相次ぐ死球禍への憤りが、主砲を突き動かした可能性があった。
試合後、報道陣から胸元への1球への質問が飛ぶと、佐藤輝は足早に歩きながら聞くことに専念。自分の思いを語ることを避けた。最後に「頑張ります」とだけ残してバスに乗り込んだ。
「危険な1球」の直後にベンチから声を荒らげた藤川監督は、前夜の試合後にも死球を巡って、広島サイドに実質的な「警告」を発していた。ハーンの1球は抜けたボールで、故意ではない可能性が高いとはいえ、危険だったことに変わりはない。この場面を聞かれた指揮官は「また明日普通に試合をするだけです。はい、お疲れさまでした」とだけ語り、会見を強制的に切り上げた。
試合は、7回まで投げた先発・栗林の前に自慢の3、4番が無安打に封じられるなど、相手投手陣に1得点に抑えられて敗れた。今季から先発に転向した右腕との対戦はこれで4度目となるが31イニングでわずか3点しか奪えていない。キャリア通算で森下は18打数無安打、佐藤輝も32打数3安打。抑えで手を焼いた難敵が、先発になって、さらに巨大な敵へと姿を変えた格好だ。
23年に亡くなった球団OBの横田慎太郎さんの命日に、勝利をささげられなかった。フラストレーションがたまる1敗になった。 (倉世古 洋平)
○…阪神が今季受けている40死球はDeNAと並んでリーグ最多。広島戦で受けた7個は巨人戦と中日戦の9個に次ぐ2番目の数字。ちなみに昨季の死球数は41個で早くも1個差。シーズン143試合換算で68個ペースは球団記録の10年62個を上回る。なお同年はシーズン2位で優勝こそ逃したものの、ブラゼル、新井貴浩、鳥谷敬の100打点トリオをはじめとした「平成のダイナマイト打線」が活躍。球団記録の718打点と、甲子園のラッキーゾーン撤去の92年以降で最多の173本塁打で猛威を振るい、相手チームから厳しいマークを受けた。

