『R8』後継車誕生の予感? 『アウディRS eトロンGTパフォーマンス』に見る圧倒的速さとシャシーの大幅進化【スーパーカー超王が斬る】
圧倒的な速さを強く予感させる
そのスムーズなアッパーラインの流れと、ダイナミックな前後フェンダーのデザイン。
【画像】圧倒的速さとシャシーの大幅進化に感心!アウディRS eトロンGTパフォーマンス 全14枚
現在のアウディが最も高性能なモデルとして市場に投じる『RS eトロンGTパフォーマンス』(以下RS eトロン)は、そのファーストコンタクトから、これから体験することになるだろう圧倒的な速さを強く予感させる4ドアクーペだ。

現在のアウディが最も高性能なモデルとして市場に投じる『RS eトロンGTパフォーマンス』。 アウディ
アウディがこれまで多くのモデルに受け継いできた伝統の『RS』の称号を掲げ、それを『eトロン』という独自のBEVテクノロジーによって成立させたRS eトロン。その速さを主張するには、このくらいにダイナミックで美しく、そしてもちろん優秀なエアロダイナミクスという確かな機能をイメージさせる姿が何よりも必要不可欠だ。
昨年、それまでのモデルから大幅なマイナーチェンジを受け、さらにその商品性を高めたアウディeトロンGTシリーズだが、試乗車のRS eトロンは、このマイナーチェンジ時に新設定されたモデルとなる。
日本仕様にはほかに『S eトロンGT』もあり、こちらも新規モデルとなる。参考までに両車の価格差は741万円。高いのはもちろん、2470万円が設定されるRSの方だ。
システムトータルは748ps&1027Nm
フロントに239ps(176kW)&409Nm、リアに564ps(415kW)&590Nmの最高出力&最大トルクを発揮するエレクトリックモーターを搭載し、システムトータルでは748ps(550kW)&1027Nmというスペックで、2350kgという重量を負担する試乗車。
その走りは実際にアクセルペダルを踏み込む前の予想どおりに、常に力強いトルクフィールを感じさせるものだった。

フロントに239ps&409Nm、リアに564ps&590Nmのエレクトリックモーターを搭載。 アウディ
ヘッドレスト下に『RS』のロゴが配されるバケットタイプのシートは、快適な座り心地とともに抜群のホールド性を提供。ワインディングでコーナリングを楽しもうという場面でも、ドライビングポジションは常に正確な位置に保たれる。
フロア下、しかもホイールベース間に重いバッテリーを搭載するBEVでは、ベストな乗り心地を実現するのはなかなか難しいはずだが、アウディはここでも素晴らしい結果を出してみせた。
試乗車のフットワークには、オプションのアクティブサスペンションが装備されていたほか、スタンダードでは20インチ径となる前後のタイヤも21インチ径にサイズアップされていたが、ドライブモードで『ダイナミック』を選択し、車高がさらにローダウンした時でも、実に魅力的な乗り心地を演出してくれたのが印象的だった。
マイチェンの進化はシャシー側に多くのトピック
ハンドリングにも極めて高い正確性が感じられる。
その俊敏なターンインは、こちらもオプションではあるがオールホイールステアリング(後輪操舵)のシステムによる効果も大きく、またコーナーからの立ち上がりでは駆動方式が4WDであるがゆえの、そして最新のトルクベクタリングなどの制御によるトラクション性能の高さが、大きな魅力となって伝わってくる。

eトロンGTのマイチェンによる進化は、パワーユニットよりもシャシー側に多くのトピックがある。 山崎元裕
今回のeトロンGTのマイナーチェンジによる進化は、パワーユニットよりもむしろシャシーの側に多くのトピックがあるように思えた。
システムトータルで最高出力で748psを発揮するパワーユニットだが、実はこのモデルには隠しモードが存在していることを紹介しておこう。それは最大の加速性能を実現するための『ローンチコントロールシステム』を起動した時に、その数字が925ps(680kW)にまで高められるということ。
結果0→100km/h加速は2.5秒を達成するというのだから、その運動性能は間違いなくスーパースポーツ並みのレベルにあるといえるのだ。またこちらは最大で10秒間、94ps(70kW)のパワーブーストが可能なステアリングホイール上の『プッシュトゥパス』ボタンも、追い越し時などには大いに役立ちそうだ。
R8後継車をBEVでという可能性
RS eトロンは、4ドアクーペとしても十分な基本性能を持つモデルだ。105kWh分のバッテリーをフロア後方部を避けて搭載したことで、リアシートまわりでも足元に比較的余裕を感じる姿勢で移動を楽しむことができる。
また、トランクルームはフロントに77L、リアに350L(テクノロジーパッケージをオプション選択した試乗車の場合)が確保されている。BEVとして最も重要な性能ともいえる満充電からの走行可能距離は、WLTCモードで631kmという数字だ。

ランボルギーニでCTOとして活躍してきたルーヴェン・モール氏がアウディのCTOに就任。 アウディ
ここまで魅力的なBEVを見せつけられると、やはりこの先に期待したくなるのは、かつての『R8』の後継車をBEVでというプランだろう。
先日アウディは、これまでランボルギーニでCTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)として活躍してきたルーヴェン・モール氏が、3月1日付でアウディのCTOに就任することを発表。これをアウディからの新型スーパーカー誕生の、ひとつの布石と見るのかどうかは非常に興味深いところだ。
