(※写真はイメージです/PIXTA)

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今の家を買い換えるべきか、それとも建て換えるべきか。家族で「二世帯住宅」を検討する際、この問題は難しい判断が必要になります。深く考えずに建て換えを決めてしまうと、建築費以外に数千万円のコストが上乗せされるリスクも。本記事では、松田博行氏の著書『不動産・相続・終活のホントのところ府中の不動産会社の社長が教える後悔しないアドバイス』(叢文社)から一部を抜粋・編集し、買い換えと建て換えのメリット・デメリットを解説します。

「二世帯住宅」を検討。所有地に建て換えるか、売却して買い換えるか

一番最初の相談は『自宅を売って買い換えをしようかなと思っている』でした。色々とお話しを伺うと、お子さんと二世帯住宅を検討しているということでした。

現在お住まいのご自宅の敷地がすごく広いのですが、地型がいわゆる“ウナギの寝床”というように、間口(道路と接する長さ)の3〜4倍の奥行きがある土地形状です。

間口(道路と接する長さ)があと5メートルほどあれば言うことないのですが、残念ながら現況はちょっと狭いのです。何か良いアイデアはないかと、色々と用途を考えてみました。

マンション用地、事業用地、戸建用地。さまざま建築プランの検討をしましたが、戸建用地か建て換えが適切であると思われました。

私は、経験上一番良いのは、買い換えだと思いました。というのも、売却代金で買い換えがスムーズに行えると考えたからです。(買い換えをするにしても、事前にすることはたくさんあり、相談者様にとってはかなりの労力になりそうです)

自宅建て換えの8つの懸念事項

ご家族のお一人がこの場所が気に入っているから建て換えたいとおっしゃったそうです。たしかに、そこに建て換えることが出来れば、何ら問題がありません。

思い出がたくさん詰まった場所で生活ができますし、生活環境も変わりません。しかし、土地が通常よりも相当に大きいため、メリットもあればデメリットも大きいのです。

将来的に庭先部分だけを売却することはできるのですが、色々と懸念事項があります。そうです。庭先部分だけの売却で二束三文になってしまう可能性があるのです。下手すると数千万円も損してしまいます。

注文住宅を建築するハウスメーカーが、そのリスクをどの程度説明してくれるのかわかりませんが、ちゃんと説明する人はほとーんど、いないように思えます。その理由については割愛しますね。

懸念される事項

1.土地奥行きが40メートル以上あります

2.上下水道、ガス管などの引込をし直す必要があり、その費用が多額になる

3.注文住宅の建築費用(基本)は4千万円ほど(別途、多額の諸経費がかかります)

4.古家が3つ(4つ)あるため、解体整地が必要

5.土地の分筆が必要なので確定測量が必要

6.将来、庭先をより高額に処分するには、位置指定道路または開発道路の築造が必要

7.別棟に仮住まいが必要(期間は1年以上要する可能性あり)

8.もろもろを考慮すると、新築費用とは別に数千万円のお金が必要になるため、住宅ローンだけではすべてをまかなうことができない

もろもろを考慮すると、7千〜8千万円ほどの資金が必要になりそうな印象です。敷地を売却せずに、この金銭が用意できるかどうか、というのが1つ目のハードルになります。

「買い換え」と「建て換え」のメリット・デメリット

買い換えと建て換え。両方ともにメリットとデメリットがあります。注文住宅はやっぱり魅力ですよね。間取りは自分の好みにできますから。しかし、金銭的な要素を無視することはできません。

以前ご来店されたお客様で「お金なんていくらでも出すから、良い不動産を紹介してほしい」なんて言われる方がおりました。こういったお客様は稀です。多くの方は予算に上限はありますから無理はしないでほしいと思います。

余談ではありますが、私のかつての勤め先が倒産しましたが、そういったリスクだってありますから、毎月の返済をあまり無理しすぎるのは得策ではないと思います。

家を建て換えた場合、例えば急な転勤、収入の減少、家族の事情などが要因で、引越しをしなくてはならない事だってあるかもしれません。その時、建て換えた不動産を適正な価格で処分することができるでしょうか?

こういったことは、プロとしてお客様に説明をすべきですし、相談者様の人生に「万が一」が発生したときの対処が実現できるものにしておかないといけません。金額が小さいものではないから余計にそうなのです。

悪口になってしまうかもしれませんが、注文住宅を建築するメーカーは、建築することがいの一番で、建築した後は助けてくれません。

だからこそ、将来リスクをヘッジ(回避)する方法を常に考えておく必要があります。昔も今も、自分の身(家族)は、自分で守る術を知っておくことが必要であり、そういったことをちゃんと教えてくれる人が必要なのです。私はそう思います。

万が一のことが発生しないことが一番ですが、万が一が発生した時『あの時、準備をしておいて本当に良かった』と思えるように保険をかけておくことが重要です。決して無理をしないでください!

松田 博行

代表取締役社長

株式会社わいわいアットホーム