(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)

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<天下一の補佐役>豊臣秀長の視点から、戦国の世をダイナミックに描く大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合 日曜午後8時ほか)。夢と希望を胸に駆け上がる兄弟の下克上サクセスストーリーが注目を集めるなか、物語のテーマを“ど真ん中”で体現しそうな第六回『兄弟の絆』がまもなく放送に。そこで放送を前に、本作をより深く味わうための手がかりとして、「豊臣兄弟!」制作統括を務める松川博敬チーフプロデューサーに伺いました。

信長が絶大な信頼を置いた名将。本能寺後123万石となるも、最期には腹を切って取り出したしこりを秀吉へ送りつけた逸話も…演じるのは?

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松下洸平さんを家康役にキャスティングした理由

皆さんご存知のように、秀吉がいずれ天下を取ることになりますが、実はその裏で、秀長と家康は仲が良かったらしいという史実が残っているんですよね。実際、秀長は自らの居城・大和郡山城に家康を招き歓待していたりする。

若干のネタバレにはなりますが、秀長と家康の二人は、あるところでお互いにシンパシーを感じてたんじゃないか…という仮説に基づき、この先のストーリーを作っていこうと考えています。

豊臣兄弟の末路をどう描くかは未定ですが、秀吉が暴走する気配を見せるなか、病床の秀長が力尽きてしまう。

なので、ひょっとしたら「秀長はこれからの世を家康に託してこの世を去る」といった展開になるんじゃないか、とも思っていて。

そういう意味では、簡単に言うと、秀長との間で友情関係のようなものを紡いでいかなければならない。

そう考えた際に、松下洸平さんが役柄との相性が良いのでは、と感じ、お声掛けをしました。

一筋縄ではいかない家康に

ただ、松下さん自身は家康役を演じるにあたって、どう自分なりのカラーを打ち出すかを悩まれたらしく。

その後、脚本を読んで、八津さんの描く家康像をそのまま演じれば、自分なりのちょっと変わった感じの家康になるな、と安心されたらしいです(笑)。

ここまでも、負けた後に兵糧をやけ食いしたり、藤吉郎に嘘のアドバイスを送ったりと、松下さんには癖のある家康を演じていただいていますが、この先も、一筋縄ではいかないキャラクター造形を考えていて。

たとえば、家康自身は、別に天下を取ってやろうという強い野望を持ってはいなかった。気づけば天下がその手に転がり込んできた、といったような。

そもそも主役の秀長についても、現代人の感覚を持ち合わせたまま、戦国時代に飛び込ませたい、という制作側の思いがありまして。

もともと農民として静かに生きていくつもりだったのに、無理矢理、武士の世界に投げ込まれた。それこそ、小栗旬さんが出演されていた『信長協奏曲』の主人公・サブローに近いイメージで私はとらえています。

それと同じ感覚を家康にも持たせたいなと。それでこの先、秀長と共感しあう関係を紡いでいければ、と考えています。

白石聖さんについて

そして話題のキャストと言えば、白石聖さん演じる秀長の想い人の直。


(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)

彼女は準備時間もかなり短い中で撮影に参加いただくことになりました。

それだけに、最初はかなり緊張されていたのですが、演じていくうちにどんどん魅力的な演技をされるようになっていて。

間近で見ていても、短期間に大きく成長されているように感じています。

これまで私自身、『純情きらり』から『らんまん』まで朝ドラの現場を7回経験してきましたが、そのヒロインが成長していく姿と同じような印象を覚えていると申しますか。

とにかく撮影をしていて、とても楽しいキャストのおひとりですね。

『べらぼう』『あんぱん』…。他ドラマからの転生について

第5回にて、次郎左衛門の妻の篠として、『べらぼう』で11代将軍・徳川家斉の乳母、大崎を演じたばかりの映美くららさんが再登場しました。


(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)

狙ってのキャスティングかと聞かれますが、実は大崎が『べらぼう』後半に、再びあれほど出演があるとは知らず…。

また、お願いしたタイミングがまだ『べらぼう』終盤の脚本が完成していないタイミングだったので、映美さんの“早々の転生”は完全に偶然です(笑)。

一方で『あんぱん』の主人公・柳井嵩の弟、千尋役を演じていた中沢元紀さんは、私が一視聴者としてドラマを見ていて信長の「弟」としてもぴったり、とお声掛けをしました。

子供時代の千尋を演じた平山正剛くん、嵩を演じた木村優来くんにお声掛けをしたのも『あんぱん』での演技を見て、です。

この先、そうした他ドラマからの“転生”があるかどうかは未定ですが、楽しみにしていただければ幸いです。

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大河ドラマ第65作「豊臣兄弟!」で描くのは、戦国時代のど真ん中。強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡──夢と希望の下剋上サクセスストーリー!!

主人公は天下人の弟・豊臣秀長。

歴史にif(もしも)はないものの、『秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった』とまでいわしめた天下一の補佐役・秀長の目線で戦国時代をダイナミックに描く波乱万丈のエンターテインメント!

秀長を仲野太賀、秀吉を池松壮亮が演じ、脚本は八津弘幸、語りは安藤サクラが担当する。