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厚生労働省が公表した「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」によると、65歳以上を定年とする企業(定年制の廃止企業を含む)は34.9%で、前回の調査より2.3ポイント増加したそうです。定年まで第一線で活躍し、周りの人に惜しまれつつ退職……そのような未来を考える50代に警鐘を鳴らすのは、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役・大塚寿さん。そこで今回は、大塚さんの著書『定年5年前からの「やってはいけない」 1万人の体験談からわかった「後悔しない会社人生の終え方」』から、定年後の後悔を避けるための方法を一部ご紹介します。

【書影】定年後の後悔を避けるため、5年前から始めるべき準備を徹底解説!大塚寿『定年5年前からの「やってはいけない」 1万人の体験談からわかった「後悔しない会社人生の終え方」』

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定年前後の「早すぎる死」

定年後の人生計画を立てるうえで一番大事なのがご自身の健康です。仕事に熱中するあまり、体のケアをおろそかにしていませんか? いったん立ち止まってチェックしましょう。

あなたが描く人生の最終年齢は?

定年間近になると親の介護で悩む人が増えます。日本の高齢化において避けて通れない問題ですが、その一方で50〜60代で鬼籍に入る人も少なくありません。

私の身近なリクルート関係者でも、そうした例が多いと実感するので、昭和の仕事人間たちの早すぎる死を令和の大問題として取り上げたいと思います。

50〜60代で亡くなる人たち

リクルートの最初の上司は、65歳のときに肺がんで亡くなりました。周囲が続々と禁煙するなか、ずっとヘビースモーカーでしたから、それも影響したのでしょう。

また、私が独立した直後からお付き合いのある取引先の元総務部長のIさんも59歳で肺がんが発覚しました。上司と同じくステージ3Bでした。

人づてに肺がんの闘病中と聞き心配していたのですが、Iさんからある年の年賀状にゴルフのお誘いがありました。

ゴルフをご一緒したところ、なんと肺がんは寛解したというのです。

抗がん剤を選択する際、主治医から「効果は強いけれど、副作用も強い抗がん剤。効果は弱いけれど、副作用も弱い抗がん剤。どちらをご希望ですか?」と問われ、迷わず「弱いほう」と答えたそうです。

抗がん剤が投与されている間、かつてのマンガや映画で親しんだアメリカンヒーローが小さくなり、自分のがん細胞と闘っている映像をずっとイメージしていたそうです。そのイメージトレーニングが奏功したかはさておき、抗がん剤が体に合っていたのは間違いないでしょう。

ショートホールの待ち時間、何気なくIさんに元人事部長の近況を尋ねました。その前年に長時間の電話取材を受けてくださっていたので、お礼の会食にお誘いしようと考えていたからです。そうしたら、なんと就寝中に動脈瘤でお亡くなりになったというではありませんか。

また、課長職のコミュニケーション研修を共に作り上げた、別の会社の人材開発部長も、60代半ばで心不全で亡くなったそうです。

数年前に営業コンサルをした企業の営業部長も心不全で、50代後半の若さでこの世を去りました。リクルート在籍中も独立後も交流があった旧知の間柄で、忘年会で盛り上がっていた彼の姿はいまだに忘れられません。

こうした事例をまだまだ挙げられるほど、50〜60代で亡くなる人はとても多いのです。

行きつけの美容室のオーナーは、この1年で60代のお客様が立て続けに3人も亡くなったと話していました。

最初で最後と思った人間ドック

そんなこともあり、とうとう私も人間ドックを受けることにしました。

健康診断や胃がん検診、大腸がん検診はするものの、ずっと人間ドックは受けない派でした。よくある話ですが、万が一、頭の中に何か見つかって、それを気にしながら生きるほうがストレスだから、という理由です。


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最初で最後と思い、還暦を迎えた時に人間ドックと脳ドックを受診したところ、なんと脳ドックで脳血管腫が5〜6つも見つかってしまいました。大きなものは出血の痕まであると聞き、「終わった……」と呆然としてしまいました。帰り道の記憶がほとんどありません。

しかし、脳血管腫は腫瘍ではなく、「海綿状血管腫という静脈の奇形」で、脳ドックでたまたま見つかることも多いそうです。半年後の再検査で「これまでおとなしくしていたものが、突然暴れ出すことはない」と経過観察になり、ホッとしました。

当初の心配通り、頭の中に何か見つかったのは皮肉ですが、自分の健康を見直すよいきっかけになりました。

「生きてこそ」のセカンドライフ

20代の頃から酒もタバコも好きで、「どちらかひとつを選べ」と言われたらタバコを選ぶほどでしたが、子どもが小児喘息のため、40歳になる前にニコチンパッチでやめられたのはラッキーでした。

ある知人は単身赴任が長く、野菜嫌いなのですが、野菜ソムリエから少量で健康成分が摂れる村上農園のブロッコリースプラウトをすすめられたというので、私も試してみました。

そのおかげもあったのか、炭水化物ダイエットと腰痛治療の一環としてストレッチポールのエクササイズを始めたら、半年で6キロの減量に成功しました。

しかし、もう定年が射程に入る年齢になったら、私のように人間ドックを避けている場合ではありません。

健康習慣、食習慣、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣、ストレスを見直すとともに、人間ドックなどの各種検診で早めの予防を心がけましょう。「生きてこそ」のセカンドライフです。

ポイント
50〜60代で惜しくも亡くなるケースは非常に多い。セカンドライフを満喫する前に命を落としてしまっては意味がありません。何はなくとも健康第一! 早めに体のケアを始めましょう。

※本稿は、『定年5年前からの「やってはいけない」 1万人の体験談からわかった「後悔しない会社人生の終え方」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。