『ダイナマイト・キス』ではアン・ウンジンと共演! チャン・ギヨンの多彩な役作り遍歴
チャン・ギヨンの最新主演ドラマ『ダイナマイト・キス』が11月12日からNetflixで独占配信がスタートした。共演のアン・ウンジンは、ナムグン・ミンとダブル主演を務めたヒット作『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』(2023年)や、最近では『魔法のランプにお願い』(2025年)で好演していたのも記憶に新しい。そんなふたりの最新作『ダイナマイト・キス』は、生計のために“子持ちの既婚者”と身分を偽って就職した独身女性コ・ダリム(アン・ウンジン)と、彼女を愛してしまうチーム長コン・ジヒョク(チャン・ギヨン)のロマンスコメディだ。
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一見、恋愛には興味がない、財閥の御曹司で天才コンサルタントのジヒョクは、高額報酬を条件にある人物をスカウトするよう依頼される。一方、何度も就活に失敗して30歳を過ぎても公務員試験を受け5浪し、それが恥ずかしいからと妹の結婚式にも呼ばれず、グリーンのセーターを着てデートすると、彼氏に「ゆでたほうれん草みたい」と揶揄されてフラれる冴えないダリム。それぞれ異なる目的のために済州島へ行き、偶然のいたずらが重なって、ふたりは情熱的な恋に落ちる。
しかし、母親が倒れた一報を受け、ダリムは急遽その場を後にする。突然終わりを迎えた恋に動揺し、彼女がいなくなった後も、「落ち込むたびに隣の小さな店でチョコアイスを買って、おじいさんの木の下で食べると気が晴れる」と言ったダリムの言葉通りの場所を探し、消息をつかもうとするジヒョク。すれ違ったままで終わるかと思いきや、自分の会社でダリムと再会することとなるのだった。
チャン・ギヨンは、クールさを装いながらも、純粋でどこか頼りないところが人間味にあふれるジヒョクを実に魅力的に見せている。はたして、ドーパミンが弾けるようなロマンスの機会がまた訪れるのかどうか、今後の展開が気になる限り。
ここで、チャン・ギヨンについて、振り返ってみたい。1992年8月7日生まれの今年33歳。2012年にモデルデビュー後、2014年に『大丈夫、愛だ』で俳優デビューし、2017年の『ゴー・バック夫婦』で注目され、2018年には名作『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』で、父親の跡継ぎで闇金融業者となるイ・グァンイル役で強烈なインパクトを残す。グァンイルは、懸命に生きるヤングケアラーのイ・ジアン(イ・ジウン/IU)の幼なじみながら、借金の取り立てで彼女を執拗に追い詰めて暴力を振るう。しかし、誠実なパク・ドンフン(イ・ソンギュン)と対峙するうち、やがて変化していくグァンイル。心の奥底にあるジアンへの想いと現実との狭間で、どこか物哀しい姿を繊細に演じていた。
同作ではIUをいたぶるヴィラン役だったチャン・ギヨンだが、放送から遡ること5年前。シンガーソングライター活動でのIUのミュージックビデオ「赤い靴」と「Friday」では、恋人役として共演している。とくに「Friday」では、カフェでIUの指をかじるほどイチャイチャしているので、ドラマしか観ていない方だと、そのギャップに驚くかもしれない。
そして『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と同年、『ここに来て抱きしめて』で初主演を果たす。サイコパス連続殺人鬼の息子チェ・ドジン役で、第55回百想芸術大賞のTV部門男性新人賞を受賞してブレイク。世間に後ろ指を指されるなか刑事となり、苦悩しながらも運命を切り拓き、初恋の被害者の娘と再会するドジン。出会ってはいけない相手を愛する葛藤や、強い正義感を持つ役柄を高い熱量で演じ切っていた。
2019年には、『恋愛ワードを入力してください~Search WWW~』でバリキャリの10歳年上女性ペ・タミ(イム・スジョン)に果敢にアプローチするゲーム音楽会社の社長で年下男性のパク・モゴン役に。仕事優先で結婚願望のないタミに、結婚願望があるものの好きすぎてそばにいるモゴンは多くの女性の母性本能をくすぐり、さらにチャン・ギヨンの魅力が知れ渡ることとなった。
2021年には、『九尾の狐とキケンな同居』で思いがけない出来事から人間の女子大生イ・ダム(イ・ヘリ)と同居することとなる999歳の九尾の狐のシン・ウヨ役に。恋愛経験ゼロのダムに心を寄せるようになるウヨの包容力やまろやかさを体現し、ロマンチックな物語に惹き込んだ。同年、Netflixで配信された映画『甘酸っぱい』では、看護師ダウン(チェ・スビン)の恋人チャンヒョク役に。変化していく恋人の関係性や心情を描きながらも、派遣されたソウルの大企業でボヨン(クリスタル)と浮気するダメ男を滑稽に演じた。
2024年、『ヒーローではないけれど』では、自分が幸せだった過去に戻ることができるポク・ギジュ役に。先祖代々の超能力一家に生まれ、家族それぞれ異なる超能力をもって生まれたものの、うつ病によって現在は能力を失っているギジュが、ト・ダヘ(チョン・ウヒ)と出会い運命が動き出す。異性愛、家族愛、人間愛……信じることの強さを教えてくれる良作だ。
こうして数々の作品を振り返ると、俳優デビューから約10年で、悪役、実年齢より年上の役、一途な年下男子の役、警察官、超能力者……など多彩な役を務めてきたチャン・ギヨン。始まったばかりの最新作『ダイナマイト・キス』の今後の展開とともに、これからより一層活躍するであろうチャン・ギヨンから目が離せそうにない。
(文=かわむらあみり)
