バイクの「マフラー」は首に巻く「マフラー」と語源が一緒? 共通点とは?
首に巻くマフラーと語源が同じ理由
バイクを走らせるために重要な「マフラー」というパーツがありますが、バイクを知らない人がマフラーという言葉を聞くと、普通は“首に巻く”マフラーを思い浮かべるでしょう。
バイクのマフラーは、バイクを走らせるうえで欠かせないパーツのひとつであり、いくつかの役割を持っています。

【画像】車種によって様々! バイクの「マフラー」を画像で見る(11枚)
一般的には、排気音を抑える「消音装置」としての役割や、環境規制に対応するための排気処理機能を担っています。
近年では、音のチューニングを重視するライダーも増え、純正マフラーでも音質設計にこだわるメーカーが増えているのが特徴です。
代表的なのはカワサキの「Z900RS」で、公式のホームページでも「サウンドチューニング」の文字が見られます。
また、ピアノなどの音楽機材メーカーとしても有名なヤマハは、音にこだわりを持たせた独特なマフラーを作っています。
たとえば、CP3エンジンを搭載した「MT-09」などのCP3シリーズのマフラーは地面に音を当てて反響させ、ライダーへ音を届けるというコンセプトをもとに開発されており、音にこだわるヤマハらしい姿勢がうかがえます。
そんな、音を作るうえでも欠かせないマフラーは、エンジンからエキゾーストパイプを伝い、車体後方のサイレンサーまで伸びているのが一般的です。
さらに、マフラーはエンジンから出る排気ガスを安全に外へ導く装置でもあり、走行に必要な排気効率や静粛性を保つ重要な役割を果たしています。
もしマフラーを外したまま走行した場合、非常に大きな爆音が発生してしまいます。
これは周囲への騒音被害につながり、道路交通法や環境基準に違反するおそれがあります。
また、排気抵抗が適正でなくなることで、エンジンの出力バランスが崩れ、走行性能が低下することもあります。
そのため、マフラーは安全かつ快適に走行するための必須装備といえます。
一方で、バイクのマフラーと首に巻くマフラーは、見た目も用途もまったく異なります。しかし、英語では、どちらも同じ「muffler」と同じ綴で表記されます。
「muffler」とは、「包む」「覆う」「音を抑える」といった意味を持つ動詞「muffle」に由来しています。
つまり、どちらのマフラーも「何かを覆ったり包んだりする」という共通の意味を持っているのです。
バイクのマフラーは「エンジンから発生する排気音を包み込んで抑える」ものであり、首に巻くマフラーは「冷たい空気から人体を包んで守る」ものです。
こうした共通の“覆う・包む”という語源的な意味が、同じ英単語を用いる理由とされています。
構造で見るバイク用マフラーの仕組み
バイクのマフラーは、エンジンと車体後方をつなぐ複数の部品から構成されています。
まず、エンジンとの接続部となる「フランジ」、エンジンから伸びる「エキゾーストパイプ」、そして排気ガスの低減や音を抑える「サイレンサー」で構成されています。

とくに、サイレンサーは車体デザインにも大きく影響を与える重要な部分で、形状や取り付け位置によって印象が大きく変わります。
サイレンサーの構造には主に2種類あり、「ストレート構造タイプ」と「隔壁タイプ」があります。
バイクの形状によっても使い分けられており、ひとつ目のストレート構造は、エンジンから伸びるパイプの内部に複数の小さな穴を開け、そのまわりの穴をふさぐように「グラスウール」と呼ばれる素材を巻き、排気音の低減をする設計です。
そして、もうひとつの隔壁タイプは、サイレンサー内部に複数の壁を設置して、エンジンから出た音が壁に跳ね返ることで消音効果を発揮する構造となっています。
そのほかにも、サイレンサーがアップタイプかダウンタイプかで別れているものもあります。
たとえば、ホンダの「CRF250L」はオフロード走行を想定しているためアップマフラーが装備されています。
ダウンタイプでは、スズキの「隼」のように、左右で2本出しタイプになっていたり、ホンダの「CB650R」のようにショートタイプになっていたりと、車種によって個性豊かな設計のものが多く見られます。
また、マフラーはカスタムパーツとしても人気が高く、ほとんどの車種には専用設計の製品が用意されています。
ライダーが音の質や見た目を好みに合わせて選ぶことができる点も、マフラーの特徴のひとつといえます。
ただし、排ガス規制や「JMCA認証」に対応していないマフラーや、レース専用のマフラーは公道走行が不可能のものが多いので、カスタムの際は注意するようにしましょう。
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バイクのマフラーは、排気音を抑えるだけでなく、エンジン性能を保つうえでも欠かせない装置です。
語源をたどると、首に巻くマフラーと同じく「覆う」「包む」という意味から生まれた言葉であり、形は違ってもその本質には共通点があるといえます。
マフラーはカスタムパーツとしても人気ですが、公道を走る際は基準を守ってカスタムをするように心がけるとよいでしょう。

