『放送局占拠』©日本テレビ

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 “妖”のリーダー・般若がとうとう面を外す。その正体は、占拠事件が始まる直前に妖たちによって拉致されたと思われていた伊吹(加藤清史郎)であった。裕子(比嘉愛未)の弟であり、武蔵(櫻井翔)にとって義弟であり同じBCCTの仲間である伊吹は、なぜ般若となったのか。武蔵は自らの“闇”を突き止め、その理由を明らかにすることを求められる。『放送局占拠』(日本テレビ系)は8月16日放送の第6話から後半戦へと突入。ここからは、占拠犯の“正体”よりも占拠の“目的”に焦点を当てた物語が運んでいくのだろう。

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 般若の正体に混乱しながらも、指揮本部では過去に彼が関わった事件に手掛かりがあると調べを進めていく。しかし武蔵にはすでに心当たりがあった。それは5年前に起きた、“鎌鼬事件”と呼ばれる事件。白昼の公園で、NEWS FACTの記者だった安室光流と女子大生の白石純恋が鎌で殺害されたもので、現場に駆けつけた武蔵によって現行犯逮捕されたのが神津風花――当時、伊吹の恋人だった女性であり、男女関係のもつれだと報じられた末、彼女は拘置所で自殺しているというのだ。

 武蔵は天草(曽田陵介)と共に、当時事件の捜査にあたった刑事を訪ねるため神奈川県警へと向かう。そこで、捜査線上に現場から逃げ去った怪しい2人組がいたことを知る。その2人組とは大江原菖蒲(北村優衣)と地内実篤(谷川昭一朗)。“3カ月前”に伊吹が大和(菊池風磨)から命じられて拉致を試みた、裏社会の便利屋“のっぺらぼう”である。もっとも、この2人が鎌鼬事件に関与していることは前回のエピソードで触れられていること。

 今回明らかにされるのは、まず“のっぺらぼう”がどのように事件に関与していたのか。とある人物が安室を殺害し、その遺体の処理を“のっぺらぼう”に依頼する。処理の途中で白石と神津に目撃され、近くにあった鎌で白石を殺害し、その罪を神津になすりつけたわけだ。その上で、“とある人物”が警察関係者――しかも、指揮本部に出入りしている警備部長の屋代(高橋克典)であること、天草が第1話で発見した2体の焼死体が“のっぺらぼう”2人組のものであるということが重要な新事実といえよう。

 はたしてあの現場で鎌を持って錯乱状態に陥っている神津を取り押さえて逮捕したことが武蔵の“闇”なのかと考えれば、それは少々疑問が残る。それは一旦置いておくとして、伊吹は武蔵が“取材”によって導きだした一連の情報に、あまり納得していない様子である。妖には、ここまで明らかにされてきたいくつかの事件の真実の先に、さらに大きな目的が存在している。それは、彼らが放送局内で“例の場所”を探している様子からも明らかである。

 その“目的”につながる最重要事件が“鎌鼬事件”であるとすれば、殺害された記者の安室は何かを追っており、屋代はその口封じを命じられたのではと予想できる。おそらくその背後にいる人物――それが、これまで何度か名前が出てきた“傀儡子”であろう――として最も可能性が高いのは、やはり官房長官の式根。今回の終盤、人質のなかにいる式根の息子・潤平(山口大地)に対して当たりの強い天狗(芝大輔)と、その妹のがしゃどくろ(瞳水ひまり)は、安室の兄と妹であることが判明する。安室が式根について何か探りを入れて殺害されているとすれば、恨みを抱いていても当然だろう。

 さて、そんな天狗とがしゃどくろが拘置所から逃した大和は、妖のメンバーを集めるなど占拠のコーディネートを行なっていたわけだが、今回のラストですでに彼らの仲間ではなくなり、拘束されていることが明らかになる。その仲違いの原因(誰も殺してはいけないという大和の美学に、誰かが反したのかもしれない)と、妖のメンバーでありながら占拠パートでまだ姿を見せていない輪入道の正体(これは屋代かと思っていたが、妖と敵対する位置にいそうな現状ではなんとも言い難い)が次回以降にわかるとして、やはり武蔵に、なにかもっと深い“闇”が残されているのだろうか。大いに気になるところである。

(文=久保田和馬)