「妻の不倫」割り出し実話 「ガチで泣ける」悲劇的結末
2ちゃんねるの「既婚男性板」と呼ばれる掲示板に端を発する「妻からの間違いメール」という「実話」が話題を呼んでいる。ある日、妻が不倫相手に向けて出したメールが間違って自分に届いたことを、単身赴任中の夫が2ちゃんねるに書き込んだことがきっかけで、妻の浮気を調査、不倫現場を押さえるというドキュメントが展開される。その後、この話は夫の死、という思わぬ形で結末を迎え、読者からは「ガチで泣いた」などのコメントが相次いでいる。
きっかけとなったのは、「既婚男性板」に2006年4月13日に書き込まれた、こんな文章だ。
「現在単身赴任中なんだが嫁からメール来た。 『先週はごめんね(顔文字) 生理終わったからもう大丈夫だよ。 カラオケ終わったらしようね(はーと』俺、先週は家にいませんが?電話してもメールしても嫁はでませんが?」
張り込みで寝室の「現場」を押さえる
書き込んだ人(スレッドの書き込みの番号が847だったことから、後に「847氏」と呼ばれるようになる)の妻が不倫相手に送ろうとしたメールを、間違って夫である847氏に送ってしまった、という内容だ。847氏の書き込みによると、847氏は結婚6年目で、子どもは2人。単身赴任は2年目で、あと1年で終了予定なのだという。
847氏の告白を受けて、スレッドの住人からは
「結婚生活続けるにしても、泳がせて興信所で証拠押さえた方がいい」
などと言ったアドバイスがあり、興信所に調査を依頼することになった。その結果、847氏の妻が子どもを実家に預け、男性とホテルに入ったことがわかり、「クロ」だと判明。847氏は単身赴任のため、すぐに「現場」を押さえにいくことができない。こんな苦しい胸の内を明かす書き込みが、3週間ほど続く。
「なにより子供が気になって仕方がない。幼いのに祖父母に押し付けられて母は他の男と・・・ 考えただけで鬱になりそうだ。俺に対する裏切りより子供に対する裏切りが許せない」
そして、4月28日、847氏は単身赴任先から自宅まで戻り、自宅前で張り込みを決行する。不倫相手が自宅に来ており、寝室の電気が点いているのを確認。そして、「現場」を押さえてしまうことになるのだ。
「寝室の電気が消えて30分位たった8時半過ぎ 音を立てないように鍵を開け家に入る。 そのまま寝室の前へ。つーかあえぎ声聞こえてる。気持ちを落ち着かせてドアを開ける。 『お楽しみの所悪いんだが邪魔するよ』固まる間男(編注: 不倫相手)と嫁。間男は俺が誰か分らず 『なんだお前は!?』とか言い出す」
子どもの将来を見届けられない事態が
妻は泣いて謝罪するも、847氏はとうてい許すことは出来ず、1時間ほど話し合いをした後に、予め用意していた離婚届と離婚協議書を記入、捺印に至る。その後も、妻と、その両親は執拗に復縁を迫るが、847氏は拒否。2人の親権は847氏が持つことになり、妻と子どもは3ヶ月に1度面会日を設ける、ということで決着した。
不倫相手は、妻のパート先の店長で、妻子持ちだった。この不倫がきっかけで、不倫相手は職を失い、妻からも離婚されることになってしまった。
状況が大きく変わったのは、7月2日の書き込みだ。病院で精密検査を受けることになり、検査が苦痛だった、という内容だ。そして、こんな衝撃的な告白をすることになる。
「他にも色々検査やって結果出たら速入院。数日後、手術。 で、結局医者から余命宣告だされてんの。(中略) 体調悪ければすぐに病院行けばよかったと思ったよ。心の底から病院を後回しにしたことを後悔したね。でも病院出て元嫁に『俺、もう少しで死ぬらしいから子供達のことを見られない。親権はお前に譲る』とか言っちゃってんの。ホント俺ってダメ人間。誰か助けてください」
さらに、子どもの将来を見届けられないことを、こう悔やむのだ。
「子供達を元嫁に渡すまで3人で過ごす。幼稚園も休ませて一日中一緒にいる。美味いもの食わせて欲しいもの買って何でもしてやる。それくらいしかしてやれないし。小学校から大学までの入学式、卒業式見たかった。成人式見たかった。結婚式見たかった。孫の顔見たかった。全部無理なんだな」
そして、
「みなさん、本当にありがとうございました。お元気で」
という言葉を最後に、847氏の書き込みは途絶えた。
「こんな救われない話があってよいのか」
それから4ヶ月が経った11月5日、847氏の友人と名乗る人物が、847氏のトリップ(同一人物が書き込んでいることを示す記号のようなもの)を使って、こんな書き込みをした。
「今日、彼の葬儀がありました。 彼の奥さん(元)と子供も葬儀に参加してました」
その3日後には、入院中の847氏を見舞った時のエピソードも紹介している。
「『ホント、(スレッドの住民は)みんな良い奴ばかりだよな。 見ず知らずの人間のこと気にかけてくれて。 あのスレの住人のおかげで色々力付けられたよ』と言ってました。(中略) 酉(編注: トリップ)はその時彼から聞き出しました。 彼の2人の子供の名前でした」
このようにして終末を迎えるのだが、最近になって、再び注目が集まっている。12月18日になって、スレッドの主要部分をまとめたものが「妻からの間違いメール」というタイトルで「萌えた体験談コピペ保管庫」と呼ばれるサイトに掲載され、大量のブックマークがついているのだ。例えば、オンラインブックマークとして有名な「はてなブックマーク」では、すでに800近いブックマークが付いており、こんなコメントが並ぶ。
「まさか こんなオチが 来るとは…(´;ω;`)」
「これ読んで眠れなくなった。こんな救われない話があってよいのか。。。」
「ネタであってほしいと真剣に思ってしまった」「切な過ぎて言葉にならない」
この注目具合からすると、「第2の電車男」として映画化されたりする日も、そんなに遠くはないのかも知れない。