チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は20日、エバートンのFWアンディ・ジョンソンに対する謝罪を表明した。

 問題となっていたのは、エバートン対チェルシーの一戦(17日)で、FWジョンソンが、チェルシーのGKエンリケ・イラリオと交錯し、エリア内で倒れ込んだシーン。主審の判定は「ノーファウル」だったが、モウリーニョはジョンソンがPKを狙って故意に「ダイブ」したと猛抗議。怒りの収まらないポルトガル人監督は、試合後にも「ジョンソンは危険な選手。相手を騙そうとばかりする」と発言した。しかし、このコメントを「受け入れがたく、名誉を傷つけるもの」とするエバートン側は、発言の撤回を求めて、法的処置も辞さない強固な姿勢を見せていた。

 その後、問題のシーンをビデオで再確認したというモウリーニョは、次のような言葉で謝罪を述べた。

「まず、エバートンFCとデイビッド・モイーズ監督、そして彼らの選手に対し、私が最大限の敬意を払っているという点について言わせて頂きたい。だからこそ、私はグディソン・パークでの試合を毎回楽しみにしている。次に、私は試合後、アンディ・ジョンソンを『素晴らしい選手だ』と言ったはずで、攻撃的な言葉で非難はしていないはずだ。私は『いんちき』などという言葉は使っていない。我がチームの選手を激しく非難するどこかの監督とは違う。いずれにせよ、ビデオを見返したが、主審は素晴らしい仕事をしていた。そして、ジョンソンがGKを避けようとしていたことも確認できた。今回の件について、エバートンとモイーズ監督、そしてジョンソンに対し、謝罪したいと思う」

 この発言を受けて、エバートン側は「この件はこれで終わりにしたい。我々とチェルシーは、今後も良好な関係を続けていく」と態度を軟化させ、イングランド・サッカー協会も「今回の問題が常識的に解決したことに満足している」と、モウリーニョの謝罪を評価した。過去の言動に比べ、素直に自らの過ちを認めた感のあるモウリーニョ。プレミアリーグで3年目を迎えた闘将が、イングランド・フットボールのしきたりを受け入れ始めた証とも言えそうだ。