佐野勇斗

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一気に“解禁”ムード

 民放の音楽番組に“異変”が起きている。これまで旧ジャニーズ事務所への忖度で、他事務所所属の男性アイドルグループの出演は一部を除いて困難を極めてきた。だが、ここに来て一気に“解禁”ムードが高まっているという。

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 その先頭格が佐野勇斗、塩崎太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人からなる男性5人組ボーカルダンスユニットのM!LK(ミルク)だ。同グループは4月11日放送のテレビ朝日系「ミュージックステーション」(金曜午後8時)に念願の初出演。階段降りの場面で肩を組み感激の面持ちで登場したメンバーの佐野勇斗は「夢がかなってすごく嬉しく思います」と喜びを語ったのだ。次いで同14日放送のTBS系「CDTVライブ!ライブ!」(月曜午後7時)にも出演し存在感を示した。

佐野勇斗

 スポーツ紙記者がこう振り返る。

「番組内ではSNSでバズっているM!LKのヒット曲『イイじゃん』のサビ『♪今日ビジュイイじゃん』のダンスチャレンジが紹介されるなど破格の扱いでした。配信リリースから約1か月でTikTokの総再生数5億回突破、韓国のデイリーバイラルチャートでも1位を獲得するなど、国内外で反響を呼んでいるので番組出演は遅すぎたほどです」

 ただ、こうした男性キラキラアイドル系グループの出演は非常に珍しい事態だというのだ。

「両番組にはこれまでもSKY-HI(スカイハイ)プロデュースの男性グループBE:FIRST(ビーファースト)やLDH所属の三代目 J SOUL BROTHERS、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEらが出演しましたが、旧ジャニ系のカラーとかぶらないヒップホップ色の濃い男性グループという位置づけでした。しかし、M!LKはキラキラアイドル路線で旧ジャニ勢とキャラがもろにかぶります。

 4月14日オンエアの『CDTVライブ!ライブ!』の出演者はIMP.、新しい学校のリーダーズ、&TEAM、京本大我、King & Prince、コレサワ、MAZZEL、Mrs. GREEN APPLE、M!LKらというラインナップ。旧ジャニであるSTARTO ENTERTAINMENT所属のKing & PrinceやSixTONESのメンバーである京本大我と、M!LKが同一番組に出演するというのは業界の常識からすると考えられなかった事態です」(前出のスポーツ紙記者)

改名を余儀なくされたコンビも

 TBSといえば、2023年7月15日に放送した歌謡特番「音楽の日」で所属事務所の垣根を越えた総勢90人のダンスコラボ企画を実現させ業界を驚かせた。ジャニーズ事務所(当時)所属のグループのほか、GENERATIONS、BE:FIRST、INIら12組のメンバーが一堂に会し合同でパフォーマンスを披露。

 さらには、次世代ダンスボーカルグループとしてPSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE、DXTEEN、MAZZELも参戦し、音楽ライターから「これまでの芸能界ではあり得ないことが起きている」との声が上がるほどだった。それでも、前出のM!LKは2014年から活動を続けていたのにもかかわらずこのような特別企画に招かれることはなかったのだ。

「女性アイドルグループと違い、男性アイドルグループは従来、ジャニーズ勢との共演NGがまかり通っていました。90年代に活動を始めたK-KiD'sというコンビが、93年に結成されたKinKi Kidsとコンビ名が似ている、としてジャニーズ事務所から横やりが入り『グレートチキンパワーズ』への改名を余儀なくされる一件がありました。

 その後も旧ジャニ勢は、ヒップホップ系やK-POPをのぞく男性アイドルグループとの共演を徹底的に避けてきたのです。旧ジャニ勢が出演する音楽番組にM!LKが合流できたのは画期的ではありますが、事務所同士の“大人の事情“もチラつきます。なにせ、現在放送中のドラマ『キャスター』では、M!LKと同じ事務所の永野芽郁とSTARTO ENTERTAINMENT所属のなにわ男子メンバー・道枝駿佑が仲良く共演していますから」(前出のスポーツ紙記者)

 勢力図の変化が激しい音楽業界。テレビ局にとって新たな忖度枠が増えたということなのか。

デイリー新潮編集部