現在、大阪と東京、沖縄、鹿児島を行き来する“4拠点生活”を送っている、「断捨離」提唱者のやましたひでこさん。ひとつの場所に縛られない、自由な生き方を手に入れるためのヒントを伺いました。

ひとつの土地に縛られず、住む場所も自由に変えていきたい

「私はもともと、ひとつの場所にとどまらない“根無し草”。土地や人間関係にしばられず、そのときの自分の状況や気分で住む場所を変えていきたい性分なんです」

【写真】やましたさんの沖縄の住まい

そう話すのは、断捨離の提唱者であるやましたひでこさん。現在、大阪、東京、沖縄、鹿児島の4か所に拠点をもち、スケジュールに応じて行き来しているそう。

「55歳で『断捨離』の本を出してからは、自宅のある石川と仕事場である東京を行き来する生活を続けていましたが、数年前に夫が『石川の冬は寒いから、もっと暖かい場所で暮らしたい』と言ったのをきっかけに、沖縄にも住まいをもつことに。2020年には温泉療法で知られる鹿児島県指宿市に、私がプロデュースするリトリート施設をつくりました。この施設は日常から離れて、自分を癒やすための場所。私自身も指宿に住民票を移して、定期的に滞在しています」

さらに、昨年は「仕事場も東京から大阪へと移そう」と考え、大阪にマンションを購入。同時に東京のマンションはダウンサイズし、より小さなマンションへ住み替えたそう。

「コロナ禍で外出がままならなくなったとき、『このまま東京にいる意味ってあるのかな?』と考えるようになって。それなら一度、住んだことのない関西から日本を見てみよう、と。不思議なもので、行くたびに大阪が好きになってくるし、街の雰囲気もこれまで住んだ土地とは違っていておもしろい。それまでは、なるべくグルテンフリーの食事を取るように心がけていたんですけど、大阪はうどんやお好み焼きなどの“粉もん文化”。食べるとやっぱりおいしくて(笑)。食生活はだいぶ変わりましたね」

育児や介護から解放された今こそ、自由に生きられる

そうやって実現した4拠点生活ですが、「今の場所にずっといる気はないの」ときっぱり。

「最終的にはすべてそぎ落として1か所にするだろうけど、元気なうちは気になる場所を転々としたい。出張でいろんな場所へ行くと、すぐに『ここに住むのはどうだろう?』と考えちゃうんです。私は結婚してから30年ほど石川に住んでいて、その間はずっとがんじがらめの状態だったんですよね。だから70代になって、子どもの育児や親の介護が終わって自由に動けるようになって、その反動が出ているんだと思う(笑)。今の世の中は制限だらけで、きゅうくつに感じている人も多いですよね。だからこそ、いかに人生の自由度を高めていくかが大事だと思います」

「運気を上げたい…」だけじゃダメ!

自分も土地や人間関係にとらわれない生き方がしてみたい…。そう考えながらも、なかなか実行に移せない人も多いはず。フットワークを軽くし、自由に生きるためには、どんな心構えが必要なのでしょうか。

「制約に縛られない、自由な人生を手に入れるために必要なのも、やはり『断捨離』なんです。不要なものを手放し、そのときの自分にとって必要なもの、ふさわしいもの、心地よいものを選ぶトレーニングを重ねていくと、『もの』以外の場所や人間関係、習慣、仕事についても、選び取る回路ができてくる。そうすると思いも寄らないところから、チャンスがやってくるんです」

ただ、そのチャンスをつかみ、活かせるかどうかは自分次第、とやましたさん。

「『運気を上げたい!』と言う人は大勢いるけど、『なぜ運がよくなりたいのか』を突き詰めて考えてみると、結局は『自由になりたい』からなんですよね。お金が入れば自由に好きなことができるし、いい出会いがあればがまんしていやな相手と過ごす必要もない。でも自由を求めるなら、まずは今いる空間を“自由度の高い空間”にしないと。

山のようにものが積まれたり、家具にぶつかりながら移動するような空間では、建設的な思考はできないし、ましてや自由な生き方なんて望めません。まずは目の前にある『もの』を手に取って、『なぜ私はこれを必要だと考えているんだろう?』と考えてみて。それを繰り返すうちに、今までとらわれていた不要な価値観から解放され、人生の自由度が上がるんです」