朝ドラ3作品出演の30歳女優、『ひよっこ』オーディションに落ちたけれどデビューできたワケ
今年5本目となる出演映画『アイミタガイ』の公開スタートした藤間爽子さん(30歳)。

三代目・藤間紫の名跡を継いだ日本舞踊家の藤間さんですが、放送中の主演ドラマ『つづ井さん』(読売テレビ)も好調で、女優としても快進撃を続けています。

黒木華さん演じる主人公を軸に、さまざまな人の想いが繋がっていくヒューマンドラマ『アイミタガイ』で、キーパーソンを演じた藤間さんにインタビュー。舞踊家としてではなく、俳優としてのデビューは朝ドラ『ひよっこ』だった藤間さんに、これまで実に3作品(『ひよっこ』『ちむどんどん』『ブギウギ』)に出演してきた朝ドラの思い出も聞きました。

◆大切にしていかなきゃなと感じたタイトルと、込められた意味

――『アイミタガイ』とは不思議なタイトルで、聞いたことがありませんでした。(※「相身互い」……人が互いに助け合うことを指す)

藤間爽子さん(以下、藤間):私も聞いたことがありませんでしたが、ステキな言葉だなと感じましたね。こうしたステキな言葉は、きっと他にもあるんだろうなと思いますし、大切にしていかなきゃと感じますね。私も今回の映画で知ることができてよかったと思います。

――藤間さんが演じた叶海は、黒木華さん演じるウェディングプランナーの梓の親友ですが、映画が始まってほどなく亡くなってしまいます。しかし梓の心の中心にいつもいる存在で、後半に従って両親も知らなかった人物像が見えてきます。とても重要なキャラクターですが、どんな思いで臨みましたか?

藤間:たしかに叶海は重要な役です。でもこの物語は、いろんなエピソードのすべてが、映画を観終わると、ぜんぶ繋がっていたということの良さ、人と人との繋がり、互いに影響を与えたり、受けていたこと、しかも意図せずにそうなっていた、ということのステキさを感じさせてくれます。なので演じる役柄の重要性といったことは、特別意識していなかった気がします。

◆自分へのご褒美にカメラを購入。毎日が充実

――叶海はカメラマンですが、藤間さんがカメラを渡されて「好きなものを撮っていいよ」と言われたら何を撮りたいですか?

藤間:私、少し前にカメラを買ったんです。

――この作品から影響を受けてですか?

藤間:この作品の前の現場でもカメラを持っている方たちがたくさんいらして、すごく楽しそうにしていたので、ずっと欲しいと思っていたんです。それで、「最近、自分にお金を使っていなかったな」と思ったので、「ご褒美だ!」と思って、家電量販店に行って、そこのリーダーさんに「誰でもいい感じに簡単に撮れるカメラ」を聞いて、おススメを買いました。

――どんなものを撮っているんですか?

藤間:人も自然もいろいろ撮るんですが、カメラを持っていると、日ごろ気に留めていなかったところや良さに目が行くんです。「こんなところに道があったんだ」とか。

ちょっと前に沖縄に行ったんですけど、そのときに海や、月や夕焼けの写真を撮ったりしたんです。すごくいいグラデーションが収められたりして、お気に入りの1枚になりました。カメラを持っていると、こんなに日々の生活が充実するんだなと、最近楽しいです。

◆朝ドラ『ひよっこ』でオーディションには落ちたけれど

――続けて藤間さんご自身について教えてください。日本舞踊紫派藤間流の家元でもありますけれど、このところ、女優業が引っ張りだこです。そしてその女優としてのデビューは連続テレビ小説『ひよっこ』です。

藤間:そうか、『ひよっこ』がデビューになりますかね。友達役のオーディションがあって、参加したんですけど、落ちてしまって。それで白石加代子さんの若い時の役で少し出させていただいたんです。でもセリフもないし、ただの回想で、元芸者で踊れるということを見せたいからと。デビューといっていいのかどうか。