スペインの洪水死者95人に、近代史上最悪の被害か 農作物に打撃

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[ラ・アルクディア(スペイン) 30日 ロイター] - スペイン東部バレンシア州を中心に発生した豪雨による洪水の死者が少なくとも95人に上ったと、地元当局が30日明らかにした。スペイン近代史上最悪の洪水被害になるとみられる。

29日から大雨が続き、気象学者らによると、一部地域では8時間に1年分の降水量に達するなどの集中豪雨となった。

建物や橋が流され、農地が水没するなどの被害が出ているほか、ソーシャルメディアに投稿された動画や上空から撮影された映像には、流されないように木に登る人々の姿や、倒壊した橋、車やトラックが高速道路に積み重なっている様子が映っている。

サンチェス首相は、破壊されたインフラを再建すると表明し、テレビ演説で行方不明者の家族に見舞いの言葉を述べた。

マドリード、バルセロナ両市行きの列車が運休となり、被害が大きい地域では学校や生活に必要なサービスが停止された。

電力大手イベルドローラ傘下のi−DEによると、バレンシアで約15万人が停電に見舞われている。

バレンシア以外の南部アンダルシア自治州を含む地域でも洪水が発生しており、悪天候が当面続くとの予報が出ている。

バレンシア州で少なくとも92人、他の地域で3人が死亡。スペインの洪水被害としては87人が死亡した1996年の洪水を上回り近代史上最悪になるとみられる。欧州全体では、2021年に少なくとも185人が死亡したドイツの洪水以来の被害規模となる。

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、欧州として支援する用意があるとXに投稿。

スペインの農業協同組合ASAJAは29日、農作物に大きな被害が出る見込みとした。地元研究機関によると、バレンシアはスペインの主要輸出産品であるオレンジを含むかんきつ類の生産が、全国の約6割を占めている。