日経平均は続伸、金融株高く「トランプトレード」先取りとも

写真拡大

Noriyuki Hirata

[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で大引けの日経平均は、前営業日比298円15銭高の3万8903円68銭と続伸し、高値引けで取引を終えた。複数の重要イベントを控える中で模様眺め中心となったが、銀行や保険など金融株の上昇が目立った。インフレ的な政策が見込まれるトランプ前大統領の勝利を見越した「トランプトレード」の先取りとの見方も聞かれた。

衆院選で与党の議席が過半数割れとなり、政治の先行き不透明感が投資家心理の重しになった一方、企業の想定を上回る水準でドル/円が推移していることや米経済の底堅さは、中間決算での企業業績への期待感につながっている。

日経平均は安く寄り付いた後にプラスに切り返した。「衆院選前に売られた反動の買いが前日から続いた」(ちばぎんアセットマネジメントの森田潤調査部長)との声があった。選挙期間中は株高になるとのアノマリー(経験則)に反し、日経平均は与党苦戦の観測を受けて解散前に比べ2.6%下落していた。

一方、買い一巡後の日経平均は、きょうの高値圏での小動きが続いた。市場では「出来高をみても盛り上がりを欠いている。今週は重要イベントを複数控えているだけに、基本的には模様眺めということだろう」(ちばぎんAMの森田氏)との見方が聞かれた。

今週は29日のアルファベットをはじめ、大手ハイテク企業群の決算発表が相次ぐほか、30日の米7─9月実質国内総生産(GDP)速報値、11月1日の米雇用統計と、重要指標の発表がある。来週には大統領選の投開票も控えている。

TOPIXは0.91%高の2682.02ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.91%高の1380.23ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆5920億2100万円だった。東証33業種では、値上がりは銀行や証券、その他金融など30業種、値下がりはガラス・土石製品や金属製品、輸送用機器の3業種だった。

決算などを手掛かりにした個別物色が目立った。米社の買収を発表した日本ペイントホールディングスが年初来高値を更新したほか、上期業績が堅調だった日東電工も買われた。好決算のさくらインターネットはストップ高だった。一方、中国事業の市況低迷影響を見込むTOTOは大幅安だった。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が2.08%高の622.54ポイントと、続伸した。新規上場のSapeetの初値は公開価格を52.3%上回る2285円だった。その後も上値を伸ばし、初値を上回る2510円で取引を終えた。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1275銘柄(77%)、値下がりは323銘柄(19%)、変わらずは48銘柄(2%)だった。

終値 前日比 寄り付き   安値/高値 

日経平均 38903.68 298.15 38524. 38,416

3 .85─38

,903.6

8

TOPIX 2682.02 24.24 2660.6 2,654.

7 75─2,6

83.85

プライム指数 1380.23 12.51 1369.6 1,366.

6 36─1,3

81.13

スタンダード指数 1221.54 9.07 1213.5 1,212.

7 97─1,2

21.65

グロース指数 797.93 16.23 783.05 782.87

─798.2

8

グロース250指 622.54 12.66 610.68 610.47

数 ─623.1

0

東証出来高(万株 158652 東証売買代金( 35920.

) 億円) 21