ジョージア議会選、大統領は承認せず 国民に抗議行動呼びかけ
ジョージア・トビリシ(CNN)旧ソ連構成国ジョージアで行われた議会選挙をめぐり、首都トビリシの大統領宮殿に野党勢力が結集した。野党議員と共に記者会見したサロメ・ズラビシビリ大統領は、「今回の選挙を承認しない。承認は、ロシアによるジョージア乗っ取りを正当化するに等しい。未来の世代のために、我々の欧州の未来を放棄することはできない」と宣言した。
ズラビシビリ大統領は、与党「ジョージアの夢」率いる政府を「非合法」と形容し、10月26日に行われた議会選挙は「完全な偽り」だったと主張。「我々は、ロシアの特殊作戦としか形容できないものを目の当たりにしているだけでなく、その被害者でもある」と語気を強めた。
その上で国民に対し、抗議の意思を示すため28日夕にトビリシの大通りに結集し、「平和的に全ての票、そして何よりも我々の未来を守る」よう呼びかけた。
議会選挙ではジョージアの夢の創設者のビジナ・イワニシビリ名誉会長が、全ての票の集計も終わらないうちに勝利を宣言した。イワニシビリ氏は、もし今回の選挙で同党が勝利すれば野党を禁止すると宣言していた。
26日に実施された選挙では、1人の男性が大量の投票用紙を投票箱に詰め込む様子など、不正の現場とされる映像が瞬く間に拡散した。
選挙監視にあたった国際団体は翌日の記者会見で、組織的な脅迫や有権者に対する嫌がらせ、公務員や社会福祉受給者に対する脅迫や圧力があったと発表。トビリシにいる米国の元下院議員やスウェーデンの議員も、政府による嫌がらせや脅迫があったと伝えた。
野党各党は、かつて大統領を批判していた議員も含めてズラビシビリ大統領の下に結集。「ロシアが(ジョージアの)選挙をハッキングした」と訴えている。