落選が確実となった丸川珠代氏

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 第50回衆議院選挙が27日に投票、即日開票された。東京7区では自民の丸川珠代元五輪相の落選が確実となった。党派閥裏金問題で戒告処分を受け、公認は得られたものの比例代表の重複が認められなかった。参議院からのくら替えは失敗に終わった。

 裏金の代償は大きい。元アナウンサーで閣僚経験者と抜群の知名度を誇る丸川氏だが、自民裏金問題を巡る今回選挙の大逆風の象徴となってしまった。

 822万円を政治資金収支報告書に記載せず、処分を受けた丸川氏にとっては苦しい選挙戦だった。15日の公示日、「政治資金の問題では本当に多くの皆さまに、国民の皆さまに不信を招いてしまった。このことに心からおわびを申し上げます」と丸川氏の選挙戦は謝罪と涙から始まった。翌16日には「今回私は小選挙区一本勝負ですのでどうかお助けください」と涙ながらに乞う場面もあった。

 一方、今回は徹底したステルス選挙活動を展開。演説日程は公示日と石破茂首相の応援が入った26日以外は、報道にも一般にもほとんど公開されなかった。16日に安倍晋三元首相の夫人・昭恵さんが駆けつけた応援演説も、現地・初台の商店街にビラが貼ってあっただけ。裏金追及やヤジを恐れた一方で、おわび行脚にもならなかった。

 無党派が多い都市部選挙区で“会いに行けない候補者”作戦は裏目に出た。公示日から安倍元首相の遺志を継ぐということもアピールしていたが、どこまで“安倍色”が響いたかは疑問が残る。また、「調整が間に合わず」(地元区議)公明の推薦を得られなかったことも支持拡大への壁となった。