2着のタスティエーラ(カメラ・小泉 洋樹)

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◆第170回天皇賞・秋・G1(10月27日、東京・芝2000メートル、良)

 伝統の中距離戦はG1馬6頭など豪華メンバーの15頭によって争われ、2番人気のドウデュース(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎、父ハーツクライ)が、後方2番手から直線伸びてV。前走の宝塚記念6着から巻き返し、21年朝日杯FS、22年日本ダービー、23年有馬記念に続く、史上7頭目の4年連続平地G1制覇を成し遂げた。勝ちタイムは1分57秒3。

 鞍上の武豊騎手は39〜66年の保田輶芳騎手に並ぶ同レース歴代最多タイの7勝目。JRA・G1は通算82勝目。昨年はレース当日に負傷で乗り替わりとなっていた。友道調教師は同レース初勝利となった。

 2着は9番人気のタスティエーラ(松山弘平騎手)、3着は8番人気のホウオウビスケッツ(岩田望来騎手)が入った。

  松山弘平騎手(タスティエーラ=2着)「雰囲気も良く、スタートも良かったです。道中の力みもなく、いいリズムで走れました。最後も伸びてくれて、もう少しのところまできたんですが、勝ち馬の決め手にやられました。もう一度チャンスをいただいたのに結果を出せず悔しいですが、能力を出してくれました。まだまだやれる馬です」

 岩田望来騎手(ホウオウビスケッツ=3着)「ゲートを決めて理想の位置取りで進められました。道中は少し力んでいたけど、G1にしてはギリギリスローペースで運べました。直線はいい手応えで迎えて、セーフティーリードを取りたかったので早めに踏んでいきました。坂を登って残り100で止まったけど、3着に粘ったのは力がある証拠です。これからの馬ですが、上位2頭はダービー馬なので力をつけてリベンジしたいです」

 坂井瑠星騎手(ジャスティンパレス=4着)「調教よりも返し馬の雰囲気は良かったが、ゲートで出られるタイミングがなくポジションが後ろになった。道中は感じ良く、一発勝負に行ったんですが、結果的には下げて外に出した方が良かったかもしれません」

 松永幹夫調教師(マテンロウスカイ=5着)「人気以上にやれると思って挑んだけど、このメンバー相手に本当に頑張ってくれました。内枠を引いた時点でああいう競馬になるかなと思っていたが、最後はスペースを見つけてしっかり脚を使ってくれました。いい競馬だったと思います」

 横山和生騎手(ベラジオオペラ=6着)「すごく頑張ってくれました。状態は先生やスタッフさんも言っていたように、本調子じゃないのかなと感じさせる返し馬でした。その中でも、しっかりスタートを決めて逃げた馬の後ろで運んで、勝負にいっての6着。本当に頑張ってくれました。次に向けてこのまま無事ならいいなと強く思います」

 横山武史騎手(ソールオリエンス=7着)「雨が降ってほしかったけど、そのあたりの運も含めての競馬なので仕方ありませんね。馬は古馬になっての成長を感じました。なので、ゲートも出てくれると思っていましたが、それにしても2000メートルでこれだけのいいポジションで運べたのは、想像以上にいい競馬をしてくれました。最後はしっかり脚を使ってくれているし、メンバーも強かったですが着順ほど負けていないので、これからが楽しみです」

 佐々木大輔騎手(ステラヴェローチェ=9着)「このペースでもちょっと力みが取り切れなかったです。その中でしまいは伸びてくれていますが、直線で少し不利も受けました。それがなければもう少し伸びていたんじゃないかなと思います」

 田辺裕信騎手(ニシノレヴナント=10着)「もともとゲートは出ない上にこの枠なので、流れに乗っていくのは厳しいかもしれないと思っていました。久々の2000メートルでこの時期のG1は時計も速くどれだけついていけるのかと思ったのですが、向こう正面で、スタートで置かれた分はしっかり取り返せました。直線も思ったより脚をよく使ってくれていました。メンバーが強くこの着順だけど、何頭か有力馬を負かしてきたし、しっかりこの馬にあった条件が整えばチャンスはあると思います」

 岩田康誠騎手(ノースブリッジ=11着)「つっかけてしまった。そのぶん、態勢が悪くなり前にいけなかった。イメージとしては逃げるくらいのつもりだったんだけど…」

 アンドレアシュ・シュタルケ騎手(キングズパレス=12着)「道中がスローで思ったような競馬ができなかった。追ってからは反応してくれたが、もっと流れてほしかった」

 クリスチャン・デムーロ騎手(ダノンベルーガ=14着)「1コーナーで接触する不利はあったけど、道中は折り合いがついていた。最後に反応がなかったのは休み明けのせいかもしれないが、この馬に乗るのが初めてで分からない」

 大野拓弥騎手(シルトホルン=15着)「逃げた馬の後ろでリラックスして、上手に走れていました。この経験が生きてくれればと思います」