【カイロ時事】米ネットメディア「アクシオス」は26日、イスラエルが報復攻撃に踏み切る前にイランに対し、大まかな攻撃対象を示した上で、反撃を自制するよう求めていたと報じた。

 複数の情報筋の話として伝えた。事実であれば、異例の「事前通告」で、これ以上の衝突激化を避けたいイスラエルの思惑が見える。

 アクシオスによると、イランへの「メッセージ」は、オランダのフェルドカンプ外相を含む「複数の第三者」を通じて伝えられた。情報筋は「イスラエルが、一般論として何を攻撃し、何を攻撃しないかを明確にした」と説明。イランに報復しないよう求め、もし反撃すれば、さらに大規模な攻撃を加えると警告したという。

 イスラエルは、イランが支援するパレスチナのイスラム組織ハマスと自治区ガザで、イスラム教シーア派組織ヒズボラとレバノンで戦闘を続けている。両組織の最高指導者を殺害するなど二つの戦線での軍事作戦が転機を迎える中、衝突拡大の回避を図った可能性がある。

 27日にはガザでの戦闘の停戦交渉が再開する予定。またイスラエル軍内からは、ヒズボラ掃討作戦の終結をにおわせる発言が出ている。今回の報復を抑制的に実施したことが、それぞれの戦線でどのように影響するかが今後の焦点だ。