円安進み“ステーキ離れ” 300g1750円が12年で4488円に メインメニュー変更して活路
今月に入り、再び円安が進んでいます。24日は一時、1ドル153円台まで下落しました。アメリカ産牛肉を使うステーキ店では、メインメニューをステーキからハンバーグに切り替えました。
【画像】ステーキ店倒産が過去最高の中「ガー」で失敗「グ」に転換 今や7割が…■ステーキの価格 12年で1750円から4488円に
200℃を超えるアツアツの鉄板の上で焼かれているのは、アメリカ産の牛肉です。少し赤みを残したミディアムレアが一番人気です。
東京・錦糸町にある、ステーキが評判の店。部位にもこだわり、1頭から2キロしか取れない希少な「ハラミ」を使っています。
スジや脂を丁寧に取り除き、秘伝の仕込みで柔らかくした、うまみたっぷりのジューシーなステーキです。
12年前は、300グラム税込み1750円でしたが、徐々に値上げを行い、今年4月には税込み4488円に。当初の2.5倍以上です。ごはんを付ければ税込み4796円になります。その理由は、進み続ける円安です。
■コメ高騰も…ステーキ店の倒産件数は過去最多2010年には1ドル80円でしたが、今年7月には161円まで値下がりし、円の価値は半分に。この影響で、輸入食材の仕入れ価格は高騰しました。
ヌーベルバーグ 清水恒章オーナー「12年くらい前ですかね。お肉が3倍になっちゃってますね、仕入れから。2000円で食べられたものが、今4000円ですから。誰も来なくなっちゃうので」
アメリカ産牛肉の仕入れ価格は12年前の3倍に。他にも…。
清水オーナー「よくオリーブオイルとか言われてるでしょ。油がね、一時期高かったんで」
オリーブオイルは2倍。トマト缶は1.2倍、チーズやコーンも1.5倍に跳ね上がりました。さらに、今年はコメの価格が上昇。店の経営を苦しめています。
清水オーナー「（Q.昔ながらのお客さんの反応は？）覚えているか分からないけど、『こんな高かったっけ』って帰る人もいる」
帝国データバンクによりますと、ウクライナ侵攻や異常気象によるエサ代の高騰で牛肉そのものの価格が高騰。そこに、円安による仕入れ値の上昇が追い打ちをかけ、昨年度、ステーキ店の倒産件数は過去最多になりました。
清水オーナー「メニューを変えて値段も変えてというのを去年から色々試行錯誤をしながら、毎月のようにメニューを変えています」■ステーキ店メインメニュー「今は7割ハンバーグ」
度重なる値上げで客離れが起き、ステーキに代わるメニューを開発。牛100％パティーを使い、ハンバーガーにして売り出しましたが…。
清水オーナー「ハンバーガー失敗しちゃったんで。ハンバーグをもっと力入れてやっていこうかなと」
そこで、メニューの中心を2000円以下のハンバーグに転換しました。
ナイフを入れた瞬間、肉汁が湧き出る300グラムのジャンボハンバーグです。
国産やオーストラリア産の合いびき肉を使い、じっくり20分ほどかけて火を通し焼き上げます。ごはんを付けて税込み2376円です。
清水オーナー「今は出数で言うと、7割ハンバーグ3割ステーキ。ステーキ屋にステーキを食べに来てないだろうね。お客さんによっては、ハンバーグ屋と勘違いしてる人もいるんで」
一時1ドル161円まで急落した円相場はその後、140円台で落ち着いていましたが、ここにきて再び円安傾向に。今後への不安が拭えません。
清水オーナー「160円超えて、165円、170円っていったら、そろそろ考えないと、仕入れにまずいことになるんだろう。さすがに180円とか200円の話になると、多分ドキドキしちゃう」
（「グッド！モーニング」2024年10月25日放送分より）
