藤木直人×寺島進 2人が憧れるスターとは?意外なルーティンも明かす: D&D 〜医者と刑事の捜査線〜

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ドラマ9「D&D 〜医者と刑事の捜査線〜」(毎週金曜夜9時)は、医者と刑事という異色のバディが難事件を解き明かしていくヒューマンミステリー。
【動画】藤木直人×寺島進の異色バディが話題!「D&D 〜医者と刑事の捜査線〜」

「テレ東プラス」は、主人公の医者・紙子良役を演じる藤木直人と、紙子と共に事件解決に奔走する刑事・弓削文平役を演じる寺島進を取材。息の合った対談をお届けする。



ちょっと意外!?寺島進の朝のルーティン



――今回初共演となりますが、お互いの印象をお聞かせください。

寺島「藤木くんは、日本を代表する二枚目ですよ!」

藤木「そんな…ありがとうございます(笑)。寺島さんは現場の雰囲気を作ってくださる方で、大勢いるスタッフの皆さんの名前を一人一人呼んで話しかけるところがすごいなと。僕も現場のコミュニケーションは大事にしたいタイプなんですけど、ちょっとシャイな部分があるので、すごくありがたいです」

寺島「俺、名前は覚えるんだけど、みんな呼び捨てなんだよね(笑)。でも藤木くんは、ちゃんと“さん”を付けて呼んでるから。まぁ、そういう凸凹な2人でバランス取れてるんじゃない?」

――現場で見つけたお互いの意外な一面はありますか?

藤木「寺島さん…実は泳げないんですよね?」

寺島「泳げるって!(笑) 俺がさっきメイクさんと金魚の話をして『金魚ってすげぇな、ずっと泳げるんだから。俺はあんなに泳げないな』って言っただけなんだよ。今、ちっちゃい金魚を5匹くらい飼っててね。その世話をすることが俺の朝の日課。やっぱり、生き物と触れていると楽しいよ。
俺、藤木くんはもっと不器用な人かと思ってたんだよ。でもこの前、藤木くんがすごく長いセリフを一発でOK出しててすごいなぁと。俺だったら舌をかみそうなややこしい言葉がたくさん入ってるのに。さらに監督が、3回同じことやれって言うんだよ(笑)」

藤木「10行ぐらいある長ゼリフでしたよね」

寺島「なぁ。それでもさらっとNGなしでやるから大したもんだ、陰で努力してるんだなと思ったよ。主演の責任を背負ってて、目に見えないプレッシャーもあるだろうから、その辺は俺たちがサポートしたいね」



紙子と弓削は、同じ思いを持つバディ



――藤木さんは病院の経営再建を任された院長代理・紙子を、寺島さんは昭和の雰囲気を漂わせる刑事・弓削を演じます。ご自身が演じる役を、どう捉えていますか?

藤木「エリートではないんでしょうけど、医者としての信念を貫く人。それで周りと対立することもあるかもしれないし、ある部分では冷たく見えるかもしれないけど、彼なりの正義に従って動いているんだろうなと思います」

寺島「役については…あんまり説明したくないんだよね。ラーメンを食べる時も、何も知らずにフラットな状態で食べると、『うまい』と思うことあるでしょ? ドラマも食べ物と同じで視聴者と距離が近いものだから、まっさらのまま観てもらって、それぞれが感じてくれればいいんじゃないかな」

――医者と刑事、それぞれの仕事を全うして事件を解決する紙子と弓削ですが、いつも一緒にいるわけではなく、極端にぶつかり合うわけでもない。まさに“大人のバディ”という関係性です。


藤木「たしかに、お互いの正義がぶつかるという感じではないんですよね。まず専門分野が違いますし、紙子は病院の看護師・咲良(早見あかり)、弓削は交番勤務の警官・牧野(前田拳太郎)と行動を共にすることが多い。だから一見バディっぽくないんですけど、互いの専門分野で助け合うところからだんだん距離感が縮まっていきます。物語が進むにつれ、いいバディ感が出てくるんじゃないかと」

寺島「これからどんどんそうなるだろうし、俺も楽しみですよ。紙子と弓削って、いる場所は違っても、同じ月を見ながらそれぞれが何かを感じている、一緒に事件に対して戦ってるんじゃないかなと。そういうロマンチックな感じをイメージしています」



“昭和”と言えば、忘れられないあの大スター



――弓削が“昭和の刑事”ということにちなんで、お2人が“昭和”に持つイメージや、ご自身の中で「俺って昭和だなぁ(笑)」と感じる部分があれば教えてください。

藤木「未だに昭和なところ、ありますよ。例えば外食すると、タブレットやQRコードでオーダーするお店が多いじゃないですか。あれで注文したことがなくて、たいていは他の人にやってもらっています。アナログなんですよね(笑)」

寺島「俺の昭和なところは、銭湯が好きってことだね。富士山の絵がバーンと描いてあるような昔ながらの銭湯。子どもの頃から入ってるし、なんか落ち着くんだよね。今はサウナ付きの銭湯も多いから、サウナから水風呂に入って…ホッとするんだよね。
あとは、たばこ。昔の映画で、三橋達也さんが渋くたばこ吸ってるシーンを見ると、“カッコいいな〜俺もこういう映画に出たいな”と思っちゃう」

藤木「僕は石原裕次郎さんの大ファンだった父の影響で、『太陽にほえろ!』や『西部警察』は大好きでよく観てました。エンディングで首都高をパトカーが並んで走るすごい映像があって…。まだ小学生ぐらいでしたけど、刑事たちの殉職シーンは泣きながら観ていました」

寺島「裕次郎さんの映画だと『太平洋ひとりぼっち』がいいよね。あれを観て、俺も一人旅したくなっちゃって(笑)。裕次郎さんの気持ちを分かりたくて、若い頃、アメリカ一人旅したのかな、なんて思ったりするね」

――やはり石原裕次郎さんは、お2人にとっても憧れの大スターなんですね。

寺島「かっこいいじゃない。背が高くて、気遣いもあって親分肌だし。あの渡哲也さんが『兄貴』と慕うような存在なんだから、すごいよ! すさまじいと思う」

藤木「裕次郎さんがお亡くなりになったのが52歳じゃないですか。僕も今年52歳になったんですけど、貫禄が全然違うなと思って…(笑)」

――藤木さん、寺島さんもここまで素晴らしいキャリアを積み重ねてこられたわけですが、俳優を続ける上で大切にしていることを教えてください。

藤木「僕は何も知らずにこの世界に入ったんですけど、未だにお芝居するのはすごく難しいことだと思っています。とにかく一生懸命やるだけ。あとは、セリフをいかに自分の言葉にできるかということを大切にしています」

寺島「俺はアクションチームからこの世界に入って、気づいたら役者って言われるようになったんだけど、過去を振り返ると、今こうやって『D&D』にキャスティングされているのも今までのご縁と出会いであり、あとは運だと思います。うまい役者さんがごまんといる中で、“寺島進”という個性を生かしてくれる人たちと出会えた。出会いがなかったら映画にも出られなかっただろうし、恵まれていたなと思います。その出会いを生かせるように、これからも精進します。刑事じゃないけど足で稼ぐタイプなので、自分から行動していきますよ」


(撮影/倉持アユミ 取材・文/伊沢晶子)

【藤木直人 プロフィール】
1972年7月19日生まれ。千葉県出身。大学在学中に映画「花より男子」花沢類役に抜擢され、95年デビュー。「ホタルノヒカリ」シリーズ、朝の連続テレビ小説「なつぞら」、ディズニー・ピクサー映画「リメンバー・ミー」(声の出演)、「アンチヒーロー」など、数多くの話題作へ出演。
役者活動と並行して音楽活動を本格的に開始し、99年7月7日「世界の果て〜the end of the world〜」でCDデビュー。その後も精力的に活動し、今年の夏、音楽デビュー25周年を記念して、全国11カ所・12公演となるライブハウスツアーを開催した。

【寺島進 プロフィール】
1963年11月12日生まれ。東京都出身。スーツアクターやスタントマンを経験し、86年に「ア・ホーマンス」(監督:松田優作)で映画デビュー。89年に公開された北野武初監督作「その男、凶暴につき」に出演以降、数々の北野作品に参加。「踊る大捜査線」のスピンオフ映画「交渉人 真下正義」で「日本アカデミー賞」優秀助演男優賞を受賞。
待機作に、2025年1月全国ロードショー「BLUE FIGHT〜蒼き若者たちのブレイキングダウン〜」がある。
「アンフェア」、「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」、「駐在刑事」シリーズなど、ドラマ出演も多数。

【第2話】
世間から“善意のおじさん”と呼ばれ親しまれていた中西英治(吉田ウーロン太)が殺害された。捜査の結果、前夜に高校生ぐらいの少女が家から逃げていったとの目撃情報が。さらに少女が城斉市民病院に入る様子が防犯カメラに残っていた。弓削(寺島進)らは病院で少女の身元を探ろうとするが、紙子(藤木直人)はなぜか「守秘義務がある」と頑なに拒み続ける。紙子は何を守ろうとしているのか?医者と刑事の矜持がぶつかり合う―!