阿部監督(C)日刊ゲンダイ

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 巨人の阿部慎之助監督(45)が22日、読売新聞東京本社で山口寿一オーナーにシーズン終了の報告を行った。

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 4年ぶりにリーグ優勝を果たしたが、21日にDeNAと戦ったCSファイナルステージで無念の敗退。「短期決戦の難しさとか、チームの課題は明確に出たので」と来季へ向け、攻撃陣の強化を示唆した。

 テコ入れ第1弾として、今季までイースタン・リーグのオイシックス新潟で監督を務めた橋上秀樹氏(58)を一軍の戦略面を担当するコーチとして招聘する。

 橋上氏はヤクルト時代の恩師・野村克也氏の下で2007年から楽天ヘッドコーチを務めるなど、ID野球の継承者で、12年に新設された「戦略コーチ」として巨人入り。安田学園高の後輩でもある捕手・阿部に「見逃し三振OK」という画期的な指示を出し、見事に復活させた。さるチーム関係者がこう言った。

「阿部は『三振をしてもいいんだって思えるようになって余裕が生まれた』と語っていた。低めのボール球になる変化球を追いかけなくなったことで、この年、キャリアハイの打率.340、104打点で首位打者と打点王の2冠。橋上コーチは凡打で1点をどう取るか、投手と打者のカウント別、状況別の心理の違いなどをチームに浸透させ、巨人が日本一になったことで『橋“神”様』とあがめられました」

 13年WBCでは侍ジャパンの戦略コーチを務め、14年までの3年連続リーグ優勝に貢献。巨人退団後は、楽天、西武などでコーチを歴任した。

 さらに、今季まで巨人女子チームのコーチを務めた松本哲也氏(40)が一軍外野守備走塁コーチとして入閣。ロッテの村田修一一軍打撃コーチ(43)の退団もこの日、球団から発表された。「村田コーチも阿部派なので巨人入りが噂されています」と前出の関係者が続ける。

昨オフの人事は球団主導

「村田コーチは就任2年目の今季、チーム打率を昨季の.239から.248に1分近く押し上げた。現役時代、横浜からFAで巨人入りすると、日大の後輩でもある長野を介して恒例のグアム自主トレメンバーに入って弟子入り。打撃部門の救世主としての入閣がささやかれています。松本コーチもかつてはグアムメンバー。阿部監督が現役を引退し、二軍監督に就任した20、21年には二軍野手総合コーチなどで支えた。阿部野球を熟知しているだけに、就任が噂されていました」

 そんな中、焦点になっているのは、二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチ(48)の処遇だという。巨人OBが話を引き取る。

「昨オフに就任した阿部監督の強い意向で、内海や矢野が他球団から一軍コーチとして呼び戻されたのに対し、二岡は球団主導の人事だった。仲良し内閣にしたくなかったからでしょう。今年はリーグ優勝したため残留が濃厚だったが、CSで3位のDeNAに惨敗したことで、『責任を取って辞める』と周囲に漏らしているとの話もあります。あくまでパフォーマンスでしょ? と見る向きもありますけど……」

 残留か配置転換か――。いずれにせよ、阿部派ではない二岡ヘッドの存在が、宙に浮いていることだけは確かなようだ。

  ◇  ◇  ◇

 そんな二岡ヘッドの評判は芳しくない。打線について、「選手が委縮しているというか、ファーストストライクから積極的に打ちにいけない雰囲気がある」という声も上がっていて、その原因は二岡ヘッドにあったという。いったいどういうことか。何が起きていたのか。

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