今回のユニクロCのシャツは肩の落ち方や細かなデザインディティールまで一枚でそれっぽく見せることができる逸品。素材もいうことなしで、3990円でよく出せるなと感心する光沢感と膨らみのあるコットン。

 ベーシックなシャツはこれからの季節多用することでしょう。今のうちにぜひ。

◆▼UNIQLO JW anderson
・チェスターコート 1万4900円

 さらにユニクロJWアンダーソンコラボ。スペインの老舗ハイブランド・ロエベを生まれ変わらせ、現代のトレンドセッターまで上らせたデザイナーJWアンダーソン。現在世界でも指折りの人気デザイナーであり、ユニクロとのコラボは奇跡に近い!

 パンクス文化を持つイギリス出身らしく、破壊的なデザイン傾向があるJWアンダーソン。ドッキングデザインやクレイジーパターンなどクラッシュアンドビルドなアプローチが多く、どうしても万人向けのライフウェアであるユニクロとは相性イマイチ。毎度毎度順調に展開型数を削られていますが……それでも根強いファンが多いのもこのコラボの特徴。つまり「万人向けじゃないけど、服好きには一定数ファンがいる」イメージ。

 今回もまた少々マニアックな提案がありました。

◆他ブランドがつくったら3万円では収まらない

 こちらは世界3大ツイードの一つドネガルツイードを模した素材を使ったチェスターコート。凹凸のある生地感は従来のユニクロでは絶対にない高級なもの。厚みもあり、がっしりとしていてるでヴィンテージコートのようです。

 肩周りなどは特別ゆったりとしたものではなく、裾に向けて生地が広がるような形。たっぷり使った生地でラグジュアリーに見えるけれど、どこか古めかしい部分があり「ヴィンテージの高級コート」のイメージで着用できる。

 1万4900円とユニクロとしては高価ですが、他ブランドがつくったら3万円では収まらないほどでしょう。ヴィンテージ好きには特におすすめです。

◆▼MUJILabo
・紳士 カシミヤ混チェスターコート 2万9900円

 最後はコラボではありませんが、特別ライン。無印良品が今年からリブランディングして再スタートしたMUJILabo。今回のカシミアチェスターが過去最高の出来!

 なにしろカシミアとウールを高混率で実現した生地! リサイクル生地とはいえ(端材を使ってもう一度生地にする技術、日本では尾州地域で有名)ちゃんとカシミヤウールの風合いは再現できているし、さらに高級コートの代名詞的仕様であるリバー仕立ても採用。

◆コートの中でもハードルの高い仕様に挑戦

 リバーとはつまり裏も表になってるということですが、縫製が目立たずエアリーで美しいドレープが生まれるため、ラグジュアリーブランドがよく採用する仕立てです。ただし、手間が大変かかるため、量販店などでは使うことができません。

 2万9900円と高価ではありますが、「カシミアウールのリバー仕立て」というコートの中でもハードルの高い仕様に挑戦して、この値段に落ち着けたのは奇跡!

 さらにたっぷり着丈でルーズな印象になっており、トレンド最前線の作り。これはもうブランドものとして10万円くらいで並んでいても違和感ない! 生産数もさほど多くないみたいですから、実需期になる前に完売しそう。急げ!

 以上、今買えるファストファッションコラボ品、でした!

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)