画像:フジテレビ『全領域異常解決室』公式サイトより
今年も残すところ3カ月。いよいよ秋クールのドラマがスタートします。毎クールの全ドラマチェックを欠かさない筆者おすすめの秋ドラマを、プライム帯(19〜23時放送)のなかから“おすすめ5選”の形でスタート日順にご紹介します。

◆全領域異常解決室

まずは、数多くの代表作をもつ藤原竜也がフジテレビ制作の連続ドラマで初主演を務める『全領域異常解決室』(10月9日スタート/フジテレビ系、水曜よる10時〜)。映画『キングダム』シリーズや『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』などを手掛ける脚本家・黒岩勉氏の完全オリジナル作品です。常識では考えられず、最先端科学でも解明できない“不可解な異常事件”を解決へと導いていく本格ミステリー。

超常現象を題材にしたドラマは『ケイゾク』や『キイナ〜不可能犯罪捜査官〜』、『SPEC』などあまた制作されてきましたが、魅力的なキャラクターと世界観、高度な謎解き展開が求められます。そして、このスタッフ陣×キャスト陣であれば期待できそう!

知識&記憶力&洞察力を兼ね備えた超常現象のスペシャリストという役どころを、藤原がどう演じるのか。広瀬アリス、柿澤勇人、成海璃子、ユースケ・サンタマリア、小日向文世らと共に、どんな世界観を創り上げていくのか、楽しみです。

◆ライオンの隠れ家

一風変わったヒューマンサスペンスとなる『ライオンの隠れ家』(10月11日スタート/TBS系、金曜よる10時〜)も見応えがありそう。

市役所で働く真面目で平凡な兄・洸人(柳楽優弥)と、自閉スペクトラム症の弟・美路人(坂東龍汰)は、平穏で“凪”のような日常を過ごしていた。しかし兄弟の前に突如現れた、「ライオン」と名乗る男の子(佐藤大空)によって“ある事件”に巻き込まれていくという物語。柳楽×坂東の初共演作品です。

柳楽は、アメリカ映画の傑作『ギルバート・グレイプ』(1993年)をイメージして参考にしていると語っています。演技派である柳楽と坂東のふたりだからこそ、胸がいっぱいになるような兄弟愛を織りなしてくれることでしょう。そこに、昨年のドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)でも愛らしい演技を披露した佐藤の「ライオン」が加わって、どんな化学反応を起こすのかも、見どころになりそうです。

◆わたしの宝物

問題作として話題を集めそうなのは、松本若菜主演の『わたしの宝物』(10月17日スタート/フジテレビ系、木曜よる10時〜)。

“昼顔妻”を描いたドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(2014年)と、“セックスレス”をテーマにした『あなたがしてくれなくても』(2023年)など、“女の業”を掘り下げて社会現象を巻き起こしてきた三竿玲子プロデューサーのもと、今回は夫以外の男性との子どもを、夫の子と偽って産み育てる“托卵”を題材にした作品が新たに生まれます。

主人公・美羽(松本)はかつて大企業でバリバリ働くも「子どもが欲しい」と苦渋の決断で家庭に入りました。しかし夫・宏樹(田中圭)は外では“理想の夫”を演じるも、家では度々モラハラまがいの発言。美羽はかごの中の鳥のような毎日を送っています。そこで、かつて想いを寄せていた幼なじみの稜(深澤辰哉/Snow Man)と再会するという展開。

“托卵”を選択する“悪女”を演じる松本と、“モラハラ夫”を演じる田中の怪演合戦に、深澤がどう絡み合っていくのか。壮絶な展開でハラハラさせられること間違いなし!

◆マイダイアリー

2023年4月期からベテラン・中堅の脚本家のオリジナル作品で注目されている、テレビ朝日系列の「日10枠」は、この秋も面白そう。

今回の『マイダイアリー』(10月20日スタート/ABCテレビ・テレビ朝日系、日曜よる10時15分〜)は、新進気鋭の脚本家・兵藤るり氏が務めます。代表作であるNHK夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』は、向田邦子賞にノミネートされ2023年10月度ギャラクシー賞月間賞を受賞するなど高い評価を得ています。