オンライン上で活動するクリエイターの中には、自分のウェブサイトではなくSNS上での活動をメインにしている人が多くいます。しかし、SNSは急にルールを変更することがあり、SNSの運営方針変更によってクリエイターの活動が制限されてしまうことも多々あります。「SNSをオンライン活動の拠点にすることのデメリットと解決方法」をマーケティングコンサルタントのクリス・ズコウスキー氏が解説しています。

Don’t build your castle in other people’s kingdoms - How To Market A Game

https://howtomarketagame.com/2021/11/01/dont-build-your-castle-in-other-peoples-kingdoms/

ズコウスキー氏は、オンライン上の活動拠点を「城」に例えています。「自分の公式サイト」は「孤島に建てられた小さな城」のようなものです。



島から離れた土地には、人が多く集まる国があります。これがSNSです。



SNSには誰でも自分の城を建てられるため、活動者もSNS上に大きな城を建築します。SNS上に建築した大きな城には人がたくさん集まりますが、自分の島にある小さな城には誰も訪れません。



高い人気を誇ったSNSも次第に人々に飽きられ、人々は別のSNSに移住します。



人々が別のSNSに移住したら、自分の城も移転すればいいと思うかもしれません。



しかし、SNSのルールはSNS運営者が勝手に決めるものであり、いきなり有料化してしまうこともあります。有料化したSNSは「巨大な壁で囲まれた城塞」のようなもので、気軽な出入りはできなくなってしまいます。



また、SNS上に多くの差別主義者や暴力的な人々が引っ越してきたり、SNSの運営者が怪しい人物にすり替わってしまうこともあります。



このような「SNSのルール変更」や「SNSの利用者層の変化」などに左右されずに活動を継続するには、「自分の公式サイト」の改善にコストを割いて「独自ドメインを取得する」「メーリングリストを管理する」といった改善を導入することが推奨されています。また、ブログを公開している場合、ブログサービスを用いるとSNSと同様にサービスのルール変更によって活動を制限される可能性があるため、「自分が所有するウェブサイト上でブログを運営する」という対応が最適です。



「自分の公式サイト」に力を入れる場合でも、SNSでの集客活動を中止する必要はありません。ズコウスキー氏はSNS上では「メーリングリストに参加して」「公式サイトにアクセスして」といった文言を投稿して公式サイトへの誘導を積極的に行うべきだと強調しています。これは「別の王国に派手で目を引くハリボテの塔」を建築し、「私に本当に従うなら、海を渡って私の王国に加わってください」と言うようなものとのこと。



SNSへの投稿に「Discordに参加して」「Facebookでフォローして」といった文言を含める人も多くいますが、これは人々を外国から外国へ誘導しているようなものです。人々をどこか別の場所へ誘導する際は、「自分の公式サイト」へ誘導することを最優先するべきです。



なお、ズコウスキー氏は「インターネット上には『簡単に多くのフォロワーを獲得できるホットなSNS』が約2年ごとに登場するが、これは他のSNSから顧客を奪うために大量の資金を投入して安価な広告枠や無料サービスを提供しているためであり、サービス開始から時間が経過すれば広告枠は高額になり、サービス有料化の可能性もある」と指摘し、簡単に集客できそうな新興SNSに飛びつくのはやめるように忠告しています。