人気の畳コーナーのある間取り。2年前に平屋の家を建てたライターは、リビングの隣で家の中央に位置する場所に4畳の和室をつくりました。引き戸をあけておけば、リビングと一体に。廊下へつながる出入り口もつくって、独立した客間としても使えます。停電時のことも考え、非常用コンセントも設置しました。

広いLDKのすぐ横に4畳の和室をプラン

筆者は夫と小学生の双子の4人家族。2年前に賃貸住宅から、ハウスメーカーで建てた延床面積37坪の平屋に引っ越しました。

新しい家の間取りで、とくにこだわったのは、「ラクな家事動線」と「リビングの広さ」です。LDKは26畳に。リビング自体も広くしただけでなく、すぐ横にはフラットの4畳の和室をつくりました。

写真のように、ダイニングテーブルから十分目が届くので、子どもを連れて友達が遊びに来たときも、お茶を飲みながら安心して遊ばせておけます。

仏壇を置けるスペースも。さまざまな役割を持たせてフル活用しています。和室をこの場所につくってよかったと感じている点をご紹介しましょう。

子どもの遊び場、アスレチックスペースとして

普段、和室の床には極力ものは置かず、子どもがいつでも自由に遊べる場所にしています。

もちろん、家じゅうどこでも自由に遊べるのですが、テレビやゲームなど、気が散る要素が少ないのがポイント。子どもたちも、工作やブロック遊びに、とても集中できているように見えます。

建築時に天井の梁(はり)に、約100kgの荷重に耐える金具を設置。現在はサンドバッグをつるしています(中身は要らなくなった衣類で、砂ではないです)。

正直、見た感じは相当にミスマッチ(笑)。本当のところ、金具はリビングの端っこにつけて、ハンモックをつるしたかったのですが…。

しかし、使い始めてみると、ここでよかったと思っています。子どもが登ったりぶら下がったりして遊ぶなら、下が畳でやわらかい和室の方が安心だからです。

将来、和室の雰囲気にあったハンモックをつるして、リラックススペースにするのが夢です。

独立して使用可能な客間として。長期滞在できる工夫も

和室は、客間としても使用できます。最大、布団を4枚敷けるので、3〜4人家族までの宿泊を想定しています (無理やりですが)。

じつはこの和室には、廊下につながる、もうひとつ出入り口があります。そちらから出れば、リビングを通らずに玄関(写真)に行けるのです。

リビングの引き戸をロックすれば(現在はまだ鍵はつけていません)、LDKからは完全に独立した和室に。もし、長期で滞在する人がいた場合、それぞれのプライバシーを保ちつつ、廊下側から出入りしてもらうことも可能になります。

ちなみに廊下側の出入り口の付近は、衣類や荷物を置けるスペースになっています。今はこの場所に、備蓄品やひな人形などを置いています。

非常用コンセント+空調で被災時でも安心して過ごせる

じつはわが家の屋根には、ソーラーパネルが載っています。ですから非常時は、非常用コンセントから電力を使用可能です。

この非常用コンセントの設置場所は、煮炊きするキッチンと和室に設置しました。

あえてリビングではなく和室に設置したのには、理由があります。設計担当者に聞いた話では、平屋で、家の中央に位置し、四方を丈夫な柱で支えられているので、比較的安全な部屋だそう。

万が一、地震が起き停電したときのことを考え、和室のエアコンの近くにつけました。倒壊の可能性がなければ、自宅で長期間、生活することになるでしょう。その場合、暑さ寒さ対策は重要だと思ったからです。

廊下側出入り口を備蓄品置き場にしているのも同じ理由です。

非常時にはぜいたくかもしれませんが、効率的に空調が効く狭い部屋をつくっておきたいと思ったのです。酷暑でも極寒でも、ホッとできる場所があればと考えました。狭い部屋って、なぜか落ち着きます。

戸袋と錠を真剣に考えるべきだった

和室で後悔しているのは、リビング側の引き戸です。柱の位置の影響で、早々に戸袋を諦めました。そのため常に引き戸1枚分の壁ができてしまいます。

リビングと一体で使いたいときも、微妙に狭く、引き戸の存在も気になります。ですから、もっと粘って戸袋をつくる方法を、検討すればよかったと後悔しています。

また、引き戸そのものも、初めから固定錠つきのものを選べばよかったと思っています。そうすれば、いつ来客が宿泊しても安心でした。

こういった想定しきれず、後悔することもありますが、この場所に4畳の和室をつくってよかったと思っています。