コロナ禍で日本人の「食生活」が激変……!食事管理アプリ「あすけん」が急成長を遂げた「納得の理由」

写真拡大 (全3枚)

累計会員数1000万人を突破した、国内最大級のAI食事管理アプリ『あすけん』を運営する、株式会社asken。「ひとびとの明日を今日より健康にする」ことをミッションに、2007年よりWebサービスを開始。2013年にはアプリ版『あすけん』をリリースしたことをきっかけに、急成長を遂げている。

アプリ以外にも「国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』公式本」として、『結局、これを食べるが勝ち』『結局、これしか作らない!短いレシピ』、そして、待望の最新刊となる『ほぼ100円野菜で整うスープ』を出版するなど“1000万人の食事記録”から見えたデータとノウハウを駆使することで、私たちの健康に寄与しつづけているというわけだ。本稿では、急成長を遂げる企業・askenに迫る。

AI 食事管理アプリ『あすけん』

2024年3月末時点で、累計会員数なんと1000万人を突破。AI食事管理アプリ『あすけん』は、食事画像やバーコードを“撮るだけ”で、カロリーや栄養素を自動計算してくれる、ダイエット・ヘルスケアアプリ。

カロリーと各種栄養素14項目の過不足と食事バランスをグラフで表示し、ダイエットの目標設定やその日の食事内容に応じたAI栄養士からのアドバイスが毎日無料でチェックできるのみならず、体重管理や運動記録などもまとめて記録できることで人気を集め、3年連続で「ヘルスケア/フィットネス」カテゴリにおいて、アプリダウンロード数と売り上げ国内No. 1を誇る。(2024年1月、data.ai調べ)

単なるカロリー計算アプリなら山ほどあるものの、管理栄養士の知見を基に、食事内容に対するフィードバックや食生活のアドバイスをもらえることが、多くのユーザーを惹きつけている、大きな理由のひとつだ。

「親会社であるグリーンハウスに所属する管理栄養士のノウハウと、データサイエンスの組み合わせが発端になった。管理栄養士のリアルな栄養指導をオンライン上に再現することで、より多くの人の健康に寄与できるのではないかと考えた」そう語るのは、株式会社askenを設立した、同社取締役・天辰次郎氏。

食事記録によるダイエットの流行を追い風にして、「すぐに食事を撮影できるスマホを使いたい」というユーザーの声に応えるかたちで、売り切りでのiOSアプリの販売をスタートさせたところ、多くの人がガラケーからスマホへと移行するタイミングも手伝い、アプリビジネスの先駆けとなれたことも、追い風になったという。

ユーザーすべての「専属栄養士」となる

askenが蓄積してきた膨大な食事データは、総数でなんと、73億件にのぼるという。天辰次郎取締役曰く「あすけんの持つデータは、購買データではなく実食データ」。日本人の食生活の膨大なデータをもとに、20万通り以上のアドバイスパターンを表示する。

つまり、『あすけん』がテクノロジーの力でユーザーすべての「専属栄養士」となり、「次の食事で何を食べればいいか」など“食事の選択”をアドバイス。あらゆるライフスタイル・ライフステージにおける、食事改善のサポートをしてくれるというわけである。

そんな『あすけん』の持つ膨大なデータ量を、“数字”で見てみよう。

◇これまで『あすけん』で痩せた人の総減量数:8,440トン

※集計期間:2007年12月18日〜2024年5月31日

※抽出条件:上記期間における各ユーザーの、入力された最新の体重から最古の体重の中で、体重減少があった人の減った体重総計

◇これまで『あすけん』に記録された食事の数:73億件

※集計期間:2007年12月18日〜2024年5月31日

※抽出条件:上記期間にユーザーが登録した食事記録件数の総計

◇これまで『あすけん』に登録された歩数:2兆6243億1406万9315歩

※集計期間:2008年1月4日〜 2024年5月31日

※抽出条件:上記期間に『あすけん』に記録された運動記録内の「歩数」が手動および外部アプリとの自動連携により入力された数の総計

昨今では、これらのデータを活用し、他社と連携しながらデータを活用した調査やPoC(概念実証)も実施。株式会社askenの持つ日本人のライフスタイルに寄り添ったデータは、多くのマーケティング事業においても、有益なデータとなり得るのだ。

急成長の背後にあった「食生活の変化」

また、天辰次郎取締役は「コロナ禍にともなう外出自粛からダイエットのニーズがさらに高まり、2020年4月からの9ヶ月間で新規ユーザーが100万人も増加した」と話す。つまり、コロナ禍に余儀なくされた生活様式の変化が、食生活にも大きく影響していたことは、想像に難くない。

農林水産省が発表した「新型コロナウイルス感染症下における食生活等の変化」(令和4年度「食育に関する意識調査(*1)」)によれば、新型コロナウイルス感染症の拡大前(令和元年11月頃)に比べて、とくに、20〜30歳代という若い世代で見た場合「自宅で食事を食べる回数」(51.3%)、「自宅で料理を作る回数」(37.8%)が「増えた」と、回答した人の割合が高くなっている。

*1 全国20歳以上を対象に、令和4(2022)年11月に、郵送及びインターネットを用いた自記式で実施

同調査内で「新型コロナウイルス感染症の影響により、自宅で料理を作ったり自宅で食事を食べたりする機会が増えたことで、若い世代を含めた幅広い世代が食育に関心を持ち、自ら食生活の改善等に取り組むきっかけになることが期待される」と、農林水産省は提言。

そう、株式会社askenの急成長の背後には、このような日本人の「食生活の変化」、つまり、「食」自体への意識の変遷もあったというわけだ。

私たちが身につけるべき、もっともリアルで最強の“食事改善法”は、すでに、それぞれが手にするスマホのなかにあるのかもしれない。

1000万人の食事を分析して判明した…なぜか自然と痩せていく「最強のダイエット食」